Washington Files

2018年9月3日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

品性と品格を問われるトランプ

 だが、品性と品格を問われたトランプ氏の言動は、今回が初めてではない。

 昨年10月、ハリケーンで甚大な被害をこうむったプエルトリコを視察した際、首都サンファンの対策本部に集まった関係者たちに向けて救援物資のペーパー・タオルをいくつか投げつけて見せたことから、「被災者を侮辱する行為で許せない」と居合わせた市長から抗議を受ける騒ぎとなった。

 今年1月、保守派の政治集会で不法入国者問題を取り上げた際、ニカラグア、ハイチなどの中米諸国のことを「クソッたれの国々(shithole countries)」と評して非難を浴びたほか、3月には、折り合いが悪かったティラーソン国務長官を突然解任した際に、事前に本人に方針を伝えず、自らのツイッターでポンペオCIA長官(当時)との交代人事が初めて公表された。

 8月には、大物黒人歌手で「ソウルの女王」として世界的にも知られたアレサ・フランクリンさん死去の知らせを受けて大統領は「彼女のことはよく知っている。かつて私のために仕事をしていた」とまるで自分の使用人であったかのようなコメントを出し、失笑を買っている。

 マケイン氏の葬儀は30日、まず郷里のアリゾナ州フェニックスのバプテスト教会で地元関係者ら大勢が参列して厳かに行われた。上院議員時代に民主党ながら親交厚かったジョー・バイデン元副大統領がハンカチをたびたび目元に当てながら心のこもった弔辞を読み上げ、参列者の涙を誘った。

 翌31日には、遺体の入った棺は軍用機でワシントンに運ばれた後、連邦議事堂円形広間にいったん安置され、各閣僚、民主、共和双方の上下両院議員、議員スタッフのほか各地からやってきた数千人の一般弔問者たちも別れを惜しんだ。

 このあと9月1日には、締めくくりとして市内中心街にある国立ワシントン・カテドラルで壮大・荘厳な国葬に近い儀式が行われ、ブッシュ元大統領、オバマ前大統領らが英雄をたたえる弔辞を述べた。

 政府を代表してペンス副大統領も参列したが、故人の遺志もあり、トランプ大統領はついに姿を見せなかった。居合わせた共和党幹部議員たちも終始苦渋の色を隠せなかった。
                                
   
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