世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月25日

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 9月3日から5日にかけて、第49回太平洋諸島フォーラム(PIF)年次総会と関連会合が、南太平洋の島嶼国ナウルで開催された。PIFは、1971年以来毎年開催されており、大洋州諸国首脳の対話の場、地域協力の核として、政治・経済・安全保障など幅広い分野における地域協力の推進に貢献してきた。現在、援助を供与する立場の豪州、ニュージーランドを含む16の国と地域が加盟、その他、数多くの準加盟国、オブザーバー国、パートナー国を擁する。日本は、パートナー国に含まれる。

 今回のPIFでは、安全保障の概念が強調され、注目を集めた。9月4日のパートナー国との域外国対話の冒頭における、議長国ナウルのワンガ大統領のスピーチが、島嶼国側のニュアンスをよく表しているので、まず紹介する。概要は次の通り。

(GlobalP/koya79/iStock)

 今般のPIFのテーマは「より強靭な太平洋の構築:我々の人々、我々の島、我々の意思(Building a Stronger Pacific – Our People, Our Islands, Our Will)」である。これは、太平洋の将来がその住民により決定されることを認め、我々の直面する課題に対処し、持続可能な発展への道筋を決定すべく、「太平洋地域主義」の拡大を求めている。我々が「青い太平洋(Blue Pacific)」(注:海洋のアイデンティティ、地理的条件、資源の共有に基づき、太平洋の共同管理を目指す、PIFのビジョン)として結束して行動することも求められている。 

 太平洋地域は自らの将来を決めなければならないが、孤立していては不可能である。ますますグローバル化する世界において、気候変動、海洋汚染、持続不可能な漁獲、越境犯罪などの国境を越えた課題に直面し、強固な「青い太平洋」を構築するには、パートナーシップと協力が死活的に重要である。

 地政学的文脈の変化の一環として、我々の地域においては、政治的利益と関与の度合いが高まっている。「より強靭な太平洋」の構築には、同じ考え方を持った伝統的なパートナーおよび新しいパートナーの協力と支持を得ながら、地域の平和、安全、社会的包摂性、繁栄の達成に我々が結束して焦点を当て続ける必要がある。 

 本日の議論は、地域の安全保障協力強化に重点が置かれる。3つの焦点領域が含まれる。地域の安全保障協力の強化、枢要な安全保障上のリスクとしての気候変動への対応、海洋安全保障の強化である。

出典:Baron Waqa ,‘President of Nauru and Forum Chair, President Baron Waqa’s opening remarks to Forum Dialogue Partners’ (Pacific Islands Forum Secretariat, September 4, 2018)
https://www.forumsec.org/president-of-nauru-and-forum-chair-president-baron-waqas-opening-remarks-to-forum-dialogue-partners/

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