BBC News

2018年9月20日

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ドナルド・トランプ米大統領は18日、ジェフ・セッションズ米司法長官への非難を展開し、自分に「司法長官はいない」と発言した。

トランプ氏は、19日に公開された政治専門チャンネル「Hill.TV」のインタビューで、セッションズ氏が2016年米大統領選をめぐるロシア疑惑、ならびにトランプ陣営の結託に関する司法省捜査から身を引いたことをあらためて批判した。

さらに、移民に対するセッションズ氏の対応にも不満だと述べた。

セッションズ長官は現時点で、トランプ大統領のコメントに反論していない。

現職の大統領が司法長官を攻撃することは珍しく、トランプ氏が司法システムに介入していると非難する意見もある。

8月にトランプ大統領がセッションズ氏を批判した際には、共和党上院議員2人が、大統領がセッションズ氏を11月の中間選挙後に解任した場合にはそれを支持すると表明した。

しかし他の共和党議員らは米政治ニュースサイト、ポリティコの取材で、セッションズ氏解任に反対し、同氏を支持すると話している。

セッションズ氏は8月にトランプ氏から非難された時には、「自分が司法長官でいる間、司法省の行動は政治的配慮によって不適切に影響されたりしない」と反論した。

「私は最高水準の行動を断固として要求し、それに見合わない場合は、対応する」

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セッションズ氏は大統領選の早い段階からトランプ氏を支持していた。

しかし2017年、利益相反の可能性があるとしてロシア疑惑捜査から身を引き、ロッド・ローゼンスタイン副司法長官が後任の責任者となった。トランプ氏には、この捜査について司法に介入した疑いも持たれている。

トランプ大統領は、選挙チームとロシア政府の共謀はないと一貫して主張し、司法介入も否定している。

トランプ大統領は何と言った?

トランプ氏は18日のインタビューで「僕には司法長官がいない。とても悲しいことだ」と発言した。

さらに、セッションズ氏がロシア疑惑捜査から撤退したことに「とても失望した」と話した。

セッションズ氏を解任するつもりかという質問には、「すぐに分かるだろう。たくさんの人が僕にそうするよう求めている」と答えた。

「自分は歴史を勉強したし、このままにしておきたいが、彼がしたこと(捜査への関与辞退)はとても不公平だと思う」

トランプ氏はセッションズ氏について、移民やその他の問題への対応にも「不満だ」と述べ、指名承認手続きの間も上院公聴会での受け答えは「とてもお粗末だった」と付け加えた。

「事実関係をごっちゃにして混乱していた。上院でずっと一緒だった仲間の議員たちは意地悪な質問をしたが、それでもとても混乱する答えを繰り返していた」

「簡単に答えられるはずの内容だったのに、大変な思いをしていた」


トランプ氏とセッションズ氏

  • 2016年2月: セッションズ氏、上院議員として初めて大統領選でトランプ氏支持を表明
  • 2017年2月: セッションズ氏、司法長官に就任
  • 2017年3月: セッションズ氏、大統領選中に当時の駐米ロシア大使と会っていたことを認める。上院議員の職務の一環で会ったと主張したものの、ロシア疑惑の捜査からは身を引いた
  • 2017年7月: トランプ大統領、捜査から撤退すると分かっていたらセッションズ氏を司法長官に任命しなかったとニューヨーク・タイムズ紙に語る。ここから1年にわたり、セッションズ氏を批判するツイートを重ねる
  • 2018年8月: トランプ氏、ロシア疑惑捜査について、セッションズ氏は「この嘘っぱちの魔女狩りを止める」べきだとツイートする。数週間後にも、セッションズ氏の忠誠心だけが「彼を司法長官にした唯一の理由だった」と述べた

<解説>目を見張る攻撃――アンソニー・ザーカー記者、BBCニュース(ワシントン)

ドナルド・トランプ大統領はもう、ジェフ・セッションズ司法長官が好きではない。自分を最も早くから、そして最も強力に支持してくれた1人なのだが。しかしそれは、前から分かっていたことだ。

一方で、大統領がすぐさまこの司法長官をくびにしないのにも政治的な理由がある。これも別段、目新しいことでもない。

「自分にとっては死んだも同然だ」を少しだけ柔らかく言い換えて「自分には司法長官がいない」と言ったのも、ドラマチックではあるが、同じことの繰り返しだ。

しかし驚くべきは、そして重要かもしれないのは、セッションズ氏のロシア疑惑捜査撤退以外についても批判しようと決めたことだ。たとえば、移民への対応が気に食わないなど。

セッションズ氏は移民政策については上院でも強硬派中の強硬派で、大統領選ではトランプ氏の反移民戦略を整えるのに一役買っていた。それだけに、これは特筆すべき事態だ。

あるいは大統領は、セッションズ氏排除のため、理論武装を強化しようとし始めたのかもしれない。

解任するのはロシア疑惑に留まらず、もっと大きい政治的な立場の相違が理由なのだと、そのように体裁を整えることができれば、解任に対する激しい批判も多少はそらせるかもしれない。

それでも解任するとなれば大変なことになるし、新しい司法長官の承認を上院で取り付けるのは大変な苦労を要するだろう。しかし、すでにチェスの駒は動き始めている。


(英語記事 Trump on Sessions: 'I don't have an attorney general'

提供元:https://www.bbc.com/japanese/45583384

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