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2018年9月25日

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2016年米大統領選のロシア介入疑惑をめぐり、ロシアとトランプ陣営の結託疑惑などについて捜査を指揮するロッド・ローゼンスタイン司法副長官の去就が取りざたされている。副長官がドナルド・トランプ米大統領との会話を録音し、憲法規定にもとづく解任の可能性を検討していたという米紙ニューヨーク・タイムズの報道を受け、政権内で辞任圧力が高まっているとされる。

ローゼンスタイン副長官はすでに24日、トランプ大統領と報道内容を話し合ったという。さらに27日にも、大統領との面談が予定されている。

米ニュースサイト「アクシオス」によると、ローゼンスタイン氏は24日、ジョン・ケリー大統領首席補佐官に対して口頭で辞意を伝えたが、了承されたかは不明という。同サイトはローゼンスタイン氏に近い消息筋の話として、伝えている。

トランプ大統領は、27日の面談は「何がどうなっているのか判断する」ためのものになると述べた。

国連総会に出席するためニューヨークを訪れているトランプ氏は、「透明性を確保したいし、開かれたやりとりを確保したい。ロッドと会うのを楽しみにしている」と述べた。

ロシア疑惑捜査を主導するロバート・ムラー特別検察官は、ローゼンスタイン副長官が任命した。ムラー検察官の捜査の結果、複数のトランプ陣営幹部が司法取引に応じ、捜査協力を約束している。

ロシア疑惑についてトランプ大統領は一貫して、自分の陣営とロシア当局の「結託などなかった」と主張し、疑惑捜査は「魔女狩りだ」と非難し続けている。

大統領解任を検討と報道

21日付のニューヨーク・タイムズはローゼンスタイン氏について、2017年5月にトランプ大統領が当時のジェイムズ・コーミー連邦捜査局(FBI)長官を電撃解任した後、憲法修正第25条を使って大統領を解任する可能性を司法省やFBI関係者と話し、閣僚の協力を仰ぐ可能性に言及したと伝えた。さらに同紙は、ローゼンスタイン氏がホワイトハウスの混乱状態を暴露するためトランプ氏との会話をひそかに録音してはどうかと、発言したとも書いた。

報道を受けてローゼンスタイン副長官は、この報道内容を否定した。司法省報道官はBBCに対して、会話を録音してはどうかという副長官発言は冗談のつもりだったと述べた。

憲法修正第25条は、副大統領と閣僚の過半数が議会に申し立てれば、「職務の権限と義務を遂行できない」大統領を解任させられると定めている。

24日の面談内容は

ニューヨーク・タイムズ報道を受けて、ローゼンスタイン氏は解任覚悟で24日にホワイトハウスに向かったと言われている。

しかし、サラ・サンダース大統領報道官は会談後、副長官と大統領が「最近の報道内容を議論するため、予定時間を超えて話し合った。大統領は国連総会に出席中で各国首脳との予定が詰まっているため、大統領がワシントンに戻る27日に面談する」と説明した。

ケリー補佐官とローゼンスタイン副長官の会談は、以前から予定されていたものだという。

ローゼンスタイン氏が辞めるとどうなる

連邦検事出身のローゼンスタイン氏は、2017年4月に司法副長官に就任した。トランプ政権発足後、ロシア当局者との接触を問題視されたジェフ・セッションズ司法長官が捜査への関与を忌避したため、ローゼンスタイン副長官が司法省トップとして捜査を指揮する立場になった。

2018年5月にドナルド・トランプ大統領が連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官を電撃解任した際には、ホワイトハウスはローゼンスタイン氏が書いた文書をその根拠にした。一方で、ローゼンスタイン氏はそれから間もなく、ロシア疑惑捜査の主導役にムラー特別検察官を任命した。

もしローゼンスタイン氏が辞任するか解任された場合、司法省内の順位でいくとノエル・フランシスコ訟務長官がロシア疑惑を指揮することになる。

11月6日の中間選挙を目前に、トランプ氏が自分の陣営関係者を捜査している司法省幹部をどう扱うか注目されている。中間選挙では、野党・民主党が上下両院で議席を奪還できるか、与党・共和党が両院の支配権を維持するかが、問われている。

トランプ氏はどう出る

ニューヨーク・タイムズ報道を受けて、トランプ氏は24日放送のフォックス・ニュース・ラジオ番組で「いずれ決断する。間違いなく、とても残念な話だ」、「事実関係は全部把握していないが、何があったのかについてもちろん検討している。本当に何かがあったのなら」と述べている。

保守系フォックス・ニュースの司会者でトランプ氏と親しいショーン・ハニティー氏は、自分の番組で、これはトランプ氏の政敵が仕組んだわなだと断定し、大統領にローゼンスタイン氏を解任しないよう呼びかけた。

一方で、トランプ氏に電撃解任されたコーミー前FBI長官の代行を務めた後、今年3月に大統領に解任されたアンドリュー・マケイブ前FBI副長官は、ローゼンスタイン氏が司法省を去ればロシア疑惑捜査が「危険にさらされる」ため、「非常に心配している」と述べた。

(英語記事 Rod Rosenstein: Russia inquiry chief set for Trump showdown

提供元:https://www.bbc.com/japanese/45635566

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