2024年4月25日(木)

中年留学日記

2011年7月15日

 ただ、本当の勝負はここからだった。アメリカは9・11のテロ以降、外国人を寄せ付けない国になっており、一言で言えば何事にも面倒くさい手続きを踏まないといけなくなっている。

 極めつけがビザの習得だ。膨大な書類をそろえた上で、登録はすべてインターネットで自分でやることになっている。中にはお金を払って旅行業者に代行登録を頼んでいる人もいるようだが、かなりの手数料が取られるらしく、節約第一の我々としてはすべて独力でやるしかない。

 これが結構大変だった。最初は、高をくくって妻任せにしようとしたが、妻が一日パソコンに向かって格闘したものの、データや顔写真の入力がなかなかうまくいかない。結局、作業は私に丸投げされ、その後3日間格闘する羽目になった。

 写真は取り直してサイズを変え、どうにか入力できたが、アメリカ大使館に電話で気軽に問い合わせ(問い合わせは有料!)もできず、いらいらが募る一方だ。そのうえ大使館に行くのにもいちいち予約が必要で、大抵混んでいる。申請当日は、何重ものセキュリティチェックを受けたあと、さらに長時間待たされ、最後に英語での面接(どこの学校で何を勉強するのか・・・などの質問)という苦行を経た後に、やっとビザを手にいれることができた。その後、引っ越しなどもろもろの手続きを終えて成田から北米行きの飛行機に乗り込んだ時には、妻も私もぐったりし、機内の映画さえ見る気力もなく眠りこけてしまった。

 ともあれ、日本でのばたばたとした準備の後、夏のアメリカにどうにか到着したが、その後も想定外の事態がいろいろと待ち受けていた。

(以下次号)


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