WEDGE REPORT

2018年10月11日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

五反田にライバル出現

 渋谷駅前だけにベンチャー企業が集まっているのかと思うと、そうではない動きも出ている。五反田を本拠地とするベンチャー企業と品川区が協定を結び、スタートアップコミュニティーの発展を目指す一般社団法人組織「五反田バレー」が7月25日に設立され、クラウド会計ソフトで急成長しているfreeeなど6社が参画した。この地区には既に30社以上のベンチャーが集積していると言われ、渋谷の「ビットバレー」のライバルになるかもしれない「五反田バレー」が形成されつつあるという見方がある。

 五反田は渋谷や六本木に比べて賃料が2~3割安いと言われ、東海道新幹線が発着する品川駅や羽田空港に近いため交通の便が良いことなどから、立地条件の面からも五反田の評価が高まっている。当日は協定調印式に参加した濱野健品川区長は「『品川区の五反田』ではなく、『日本の五反田』と呼ばれるように支援していきたい」と述べ、五反田をベンチャーの拠点としてアピールしたい方針だ。

 さらに六本木には象徴的な「六本木ヒルズ」にアップル・ジャパンが入居しており、ベンチャー企業にとっては魅力ある場所になっている。このため、渋谷駅前の高い家賃のオフィスに入居するからには、それ相応のメリットがなければベンチャー企業といえども、他の場所に移転する可能性もある。その意味からも、オフィスの家賃上昇が今後どう変化するか注目する必要がある。

  
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