<短期集中連載>ウナギの謎に迫る

2011年7月21日

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WEDGE Infinity編集部(語り手:青山潤・東京大学大気海洋研究所特任准教授)

青山潤(あおやま・じゅん)
東京大学大気海洋研究所特任准教授。1967年、横浜市生まれ。東京大学農学生命科学研究科、博士課程修了。その後、東京大学海洋研究所に所属し、塚本勝巳教授の下でウナギの研究に携わる。2008年より海洋アライアンス連携分野特任准教授。現在も、研究の傍らエッセイなどを執筆している。著書に、ウナギの新種を求めてアフリカ大陸を右往左往した『アフリカにょろり旅』や、ウナギの標本収集のためにタヒチ島などを訪れた『うなドン』(ともに講談社)がある。

 日本ではウナギといえば蒲焼きですが、世界を見渡したとき非常に珍しい食べ方であり、ウナギの美味しさを最も引き出す調理法といっても過言ではないと思います。

 関東では、ウナギの泥臭い油を落とすために焼く前に蒸すことが多いですし、タレにも各店のこだわりがあります。「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」という言葉もあるほど、調理法に並々ならぬ情熱を傾けています。

 海外では、ここまで調理に手間をかけないのが一般的です。東京大学の大気海洋研究所でウナギ研究に携わり、世界中のウナギを食べてきた青山潤先生に、その一端を紹介してもらいました。

油の処理をしないと
強烈な臭みが

 私は調理の専門家ではありませんので、自分の体験の中での話に限られます。また、そもそも食べることにはあまり興味がなかったもので、はっきり記憶してないんですよ。

 でも、ウナギを食べたのは、ほとんどアジアの国々でした。アジアにおける調理法は極めてシンプルです。旨いかどうかは、ウナギ独特の脂の処理と香辛料の使い方次第だと思います。

 インドネシアのスラウェシ島では、ウナギをぶつ切りにしてそのまま鍋に入れ、野菜などと一緒にスープにしていました。しかし、脂を抜いていないので、強烈な臭みがあり、お世辞にもおいしいとは言えませんでした。

 バングラディシュの漁師の村では、カレーの具として使われていましたが、香辛料が強烈で脂はほとんど気になりませんでした。細切れのためかウナギの味はそれほど感じられず、単にたんぱく質を補充するために入れているだけのように感じました。

 フィリピンの北ルソンの山奥では、緑色の葉とともに切り身を入れて、塩だけを加えるというシンプルな味付けでした。葉っぱのおかげか、これはまったく臭みがなく、日本のおすましのような優しい味がしました。

から揚げは
意外にいける

東京大学でウナギを研究する学生が、滞在先のホテルで提供されたから揚げ。

 ウナギのから揚げは絶品です。右の写真は、インドネシアのスラウェシ島ポソ州で撮影されたものです。インドネシアでは大きいウナギが人気で、日本で食べられるような40~50センチ程度の小物はあまり相手にされません。1メートル近くもあるウナギをぶつ切りにして、粉をからめて揚げていました。唐辛子とタマネギ、トマトをあわせたソースと一緒に食べるのですが、巨大なウナギは鶏肉のような食感で、かなりの美味です。

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