2024年4月19日(金)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2018年10月25日

自立するとは、自分の時間の使い方を自分で決められること

 ただ「自分のことは自分でできる子に育ってもらう」と言っても、「そんな都合よく、勝手に育ってくれるはずないじゃないか」と思われる方は多いと思います。

 たしかに、親が何の働きかけもしないままに、子どもが自分だけで育っていくというのはかなりレアケースでしょう。

 やはり、親の関わりがとても大切です。

 ただし、時間をかけずに、負い目を感じずにできる関わりを、です。

 私は、自立への第一歩は、子どもが今日一日の自分の過ごし方を、自分で決められるようになることだと考えています。

 例えば毎朝、「朝ごはんのあと、何をする?」といった感じで子どもに問いかけます。そうすると、子どもは子どもなりに次の行動を考えます。実は、3歳くらいの小さな子でも、自分の行動を自分で決めることができ、決めた内容を人に伝えることができます。3歳なんて、まだ何もできないと決めつけて、大人が子どもの力に気づいていないだけなのです。

 最初はうまく言葉にできなくても、毎日尋ねていると、「朝ごはんのあと、○○をして遊びたい」と言えるようになります。すると次の段階として「○○よりも××をしたい」「△△の後に□□をする」など、自分自身で自分の行動を選択できるようになってきます。

親がスキルを持てば、自立を促す仕組みもできてくる

 まずは「今日一日」という単位が目標です。

 3歳なら、「朝ごはんのあと○○したいな」「保育園で○○ちゃんと遊びたいな」が言えたら十分です。親が問いかけを重ねていくたびに、したいことがだんだんと広がって、「○○やる。そのあとで△△もやっていいでしょ?」と言えるようになっていきます。

 年齢が上がるにつれて、朝ごはんの時に夕方の話ができるようになり、「ママが帰ってきたら○○いっしょにしようね」と夜の話ができるようになり、子どもは「今日一日」の過ごし方(計画)を話せるようになっていきます。

 そうやって成長していく間、親がしていることは問いかけて、話を聞いてあげているだけです。

 なぜそれだけで、子どものできることが育っていくのかといえば、この「朝ごはんの時の問いかけ」が、自立を促す「仕組み」になっているからです。その場その場の関わり方ではなくて、一つの親のスキルとして実行するからこそ、子どもも安心して自分のことを決めていけるのです。

 「今日一日」という時間を細分化して考え、自分でどう過ごすか決められるようになった子は、さらにその先にある「こういう学校へ行きたい」「こういう体験をしてみたい」「こういう職業に就きたい」といった未来についても考えられるようになっていきます。

 親が「勉強をしなさい!」「塾に行かなくて大丈夫なの?」「英語を習った方がいいんじゃないの?」など、いちいち行動を促さなくても、自分で考え行動するようになる。それこそ、親がわが子に望む「自立」ではないでしょうか。


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