世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年10月30日

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 10月6日から7日にかけて、アフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合が開催された。TICADは1993年から数年ごとに開催されている、アフリカの開発をテーマとする国際会議で、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共催している。今回の閣僚会合は、来年開催されるTICAD7(首脳会合)に向けた準備の一環である。9月に開催された「中国アフリカ協力フォーラム」の直後だけに、日本と中国のアフリカへの対応ぶりの対比が注目される。

 閣僚会合開会式における河野外務大臣のスピーチの主要点は次の通り。

(GlobalP/johan63/Francine Mancini/Golden_Brown/iStock

・日本の対アフリカ外交の理念は,「国力は人にあり」という我々自身の経験から形成。

・日本は、アフリカの人々のエンパワーメントに焦点を当てつつ、アフリカの取組に対する一層の支援を行う固い決意を、改めて強調。

・日本のアフリカ民主化支援を再確認し、平和と安定に向けた「アフリカの課題に対するアフリカの解決策」を探る、アフリカ自身の取組を高く評価。

・北南米の沿岸に至るまではるばると、インド洋と太平洋を通じてアフリカをつなぐべく、日本は自由で開かれたインド太平洋を推進している。法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序及び航海の自由を維持しなければならない。いかなる海洋をめぐる紛争も、力による解決ではなく、国際法に基づき公平に、かつ平和的に解決されるべきである。このような世界をアフリカと共有することは、我々の願い。

・経済面では、民間セクターと緊密に連携しながら、人材育成と技術移転に重点を置き、アフリカの経済構造転換を推進してきた。

・アフリカのオーナーシップを尊重した持続可能なアフリカの開発をアフリカで実現するため、健全な債務管理の重要性を繰り返し強調したい。国際援助は,透明性、開放性、ライフ・サイクル・コストから見た経済効率性及び被援助国の債務持続性といった国際的スタンダードに従って行われるべきである。このような原則は、我が国の推進する「質の高いインフラ」の重要な要素である。

・アフリカの経済構造転換の実現のため、自由貿易の重要性に言及したい。一方的な行動の広がりは、多国間主義をむしばんでいる。しかし。自由で公平な多角的な及び複数国間の貿易システムの維持と発展への日本の決意は不変。

出典:TICAD閣僚会合開会式 河野外務大臣スピーチ(外務省公式HPより)

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