田部康喜のTV読本

2018年10月31日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

(AH86/iStock/Getty Images Plus)

 「一滴残らず、地球から干されて、消えて!」

 山口紗弥加が演じる元女優の芸能マネージャーが、復讐を果たして敵役に放つ最後の決め台詞は痛快である。

 日テレ系の読売テレビ制作「ブラックスキャンダル」(毎週木曜よる11時59分~)は、今季ドラマの深夜枠のなかで秀作である。

芸能界を舞台に繰り広げられる復讐劇

 妖しい魅力の女優をいまあげるとすれば、山口紗弥加と木村多江だろう。その木村は今回のドラマと同じ枠で「ブラックリベンジ」(2017年)で、スキャンダルで自殺に追い込まれた政治家の夫の恨みをはらすために、週刊誌「星流」の記者となって復讐を遂げた。「骨の髄まで炎上しろ!」の決め台詞はいまでも記憶に残る。

 山口紗弥加が標的に定めるのは、芸能界である。山口紗弥加が演じるのは、芸能プロダクション「フローライト」のマネージャー・矢神亜梨沙。この芸能プロに5年前に所属していた女優の藤崎紗羅(回想シーン・松本まりか)が彼女の正体で、整形手術をして事務所に入り込んだ。

 藤崎紗羅は、二世俳優の棚城健二郎(浪岡一喜)と不倫関係にある、という偽の記事を週刊星流の記者・巻田健吾(片桐仁)に書かれて、芸能界を追われる。メディアが徒党を組むようにして取材に押し掛け、紗羅の母親は焼身自殺を図った。

 紗羅を芸能界から追放を図ったのは、芸能プロの社長・勅使河原友和(片岡鶴太郎)とTVプロデューサーの五色沼仁(袴田吉彦)、二世俳優の棚城健二郎(浪岡一喜)たちである。矢神亜梨沙の名前で芸能プロに入り込んだ、紗羅は五色沼と棚城を芸能界から追放する策略をめぐらして、ふたりを叩き落す。紗羅は自分が偽の不倫話をでっちあげられた理由を探ろうとするが、五色沼と棚城から聞き出したのは、社長の勅使河原(片岡)から見返りとしてカネをもらったという事実だけだった。

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