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2018年10月31日

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インドネシア政府は29日に発生したジャカルタ発のライオン航空機墜落事故を受け、国内全てのボーイング737マックス8型機を検査するよう命じた。

バンカ島パンカルピナン行きのJT610便には乗員乗客189人が乗っていたが、離陸直後に海に墜落した。生存者は確認されていない。

捜索隊は墜落現場から機体の残骸や遺体、遺品などを回収しているほか、機体そのものやフライトレコーダーを捜索している。

ボーイングの737マックス8型機は昨年、商用利用が開始され、墜落したライオン航空の機体も数カ月前に導入されたばかりだった。

インドネシアの運輸省は30日、同国の航空会社が所有する全てのマックス8型を検査すると発表したものの、利用停止とはしなかった。

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インドネシア最大の格安航空会社でもあるライオン航空は、31日にボーイングと会談する予定。

同社のダニエル・プトゥト社長は記者団に対し、「ボーイングに対して聞きたいことがたくさんある。あれは新しい機体だった」と話した。

ボーイングは、「事故調査に技術的な支援を提供する用意がある」としている。


多くの島から成り立つインドネシア列島の人たちにとって、飛行機は欠かせない移動手段だが、多くの航空会社は安全面の問題を指摘されている。

ライオン航空も、2016年まで欧州空域への飛行を禁止されていた。

墜落の原因は?

墜落原因はまだ分かっていない。

JT610便はバンカ島パンカルピナンのデパティ・アミル空港へ向かう予定だったが、離陸から13分後に墜落した。

当局によると、ジャカルタの空港に引き返す許可を機長が管制官に求めたのを最後に、連絡が途絶えた。

BBCが入手した運航記録では、事故の前日、バリ島からジャカルタへ飛行中に技術的な問題が発生していた。

それによると機長が確認していた対気速度計が「信頼できず」、機長が副操縦士と交代する事態になっていた。また、機長と副操縦士の高度計の数値が異なっていた。

ライオン航空グループのエドワード・シライト最高経営責任者(CEO)は30日、同機は修繕され、飛行の許可が下りていたと強調している。


捜索でわかったことは?

飛行機の墜落現場はジャカルタの北東で、水深は30メートルほど。そのため、当局は機体を発見できる可能性があるとしている。

捜索隊は水中ドローン(無人機)を使っているほか、「ピンガー・ロケーター」と呼ばれる探知機でコックピットのレコーダーから発信される信号を捕らえようとしている。

海から回収された遺体の一部が入れられた袋が、身元特定のためにジャカルタに運ばれている。

捜索隊のユスフ・ラティフ氏は、もし生存者が見つかれば「それは奇跡だ」と話した。



<現場から>「彼女の顔が頭から離れない」 ――レベッカ・ヘンシュキ、BBCニュース(ジャカルタ)

JT610便の乗客の家族や友人にとっては、待ち続ける日々が続いている。

今はひたすら、遺体が運ばれてくるジャカルタの警察病院の前で待っている。

ライオン航空は、事故機の目的地だったバンカ島から家族がジャカルタに向かうための便を無料で提供している。スルヤさんもその1人だ。

「区切りやはっきりとした結論を求めて、みんなやってきました」とスルヤさんは話す。JT610便には、スルヤさんの一番下の妹が乗っていた。

「妹の死を悼むために遺体がほしい。家族で一番若かったから、みんなとても愛していた。みんなの赤ちゃんを失うのはとても苦しい」

私が病院の外で話を聞いたムルタド・クリナワンさんは最近結婚したばかりで、妻は出張で事故機に乗っていた。

クリナワンさんは妻の歯ブラシを持ってきていた。身元確認に役立つのではと思ったからだという。

「ずっと妻のことを考えています。彼女の顔が頭から離れない」


(英語記事 Jet inspections ordered after crash

提供元:https://www.bbc.com/japanese/46040176

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