公立中学が挑む教育改革

2018年11月29日

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多田慎介 (ただ・しんすけ)

ライター

1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業職や営業マネジャー職を経験。編集プロダクション勤務を経て、2015年よりフリーランスとして活動。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。著書に『「目的思考」で学びが変わる 千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』(ウェッジ)。

柔軟に、ユニークに。役割分担をして挑んだ仲良しチーム

「幼なじみだったり、小学校が同じだったり。普段から仲の良いメンバーです」

率先して個々のメンバーが活躍したポイントをわかりやすく語ってくれたリーダーの加藤仁奈さん

 リーダー役の加藤仁奈さんをはじめ、鈴木菜月さん、前田頼斗さん、大野由人さん、成田謙介さんの5人で組んだチームは、3年生に進級して間もない4月からツアー企画取材旅行の準備を始めた。最初に取り組んだのは、「他のチームとかぶらないコンセプト作り」だ。

「インスタグラムなどを見ていると、日本に来た外国人が旅行の写真をたくさんアップしているんです。『SNSガチ勢の外国人は多そうだね』と話していました」(鈴木さん)

「SNSという切り口は他のチームも出してきそうだけど、『SNS×外国人』なら個性的な企画にできるかも! と盛り上がっていきました。京都や奈良は日本の伝統文化に触れられる場所がたくさんある。そんな風景がSNSで映えることを、『和映え』という新しい単語を作って表現してみました」(加藤さん)

「外国人旅行客が『#和映え』でどんどんSNSに投稿してくれれば、お金をかけて宣伝しなくても広まりやすいんじゃないかと思ったんです」(成田さん)

「他を見ていると、勉強ができる人ばかり集まっているところもあった。そんなチームに負けないよう、自分たちは柔軟に、ユニークにやっていこうという感じでした」(前田さん)

 コンセプトが決まってからは、5人の中で自然と役割分担が進んでいったという。加藤さんが企画と全体の進捗をまとめ、パワーポイントが得意な鈴木さんと成田さんが資料制作をメインで担当。「人前で話すことが好き」という前田さんと大野さんはプレゼンの練習に力を入れた。「柔軟に、ユニークに」という方針は、発表会の本番でも大きな効果を発揮したという。

アドリブの演出で会場を見事に沸かせた大野由人さん

「当日は、他のチームのプレゼンを見てだんだん焦りが出てきました。どこも内容がぎゅっと詰まっていて、ターゲットに刺さりそうなものが多かったから、『自分たちの企画で勝てるかな?』と……」(鈴木さん)

「そんなときに、金剛力士像を紹介するくだりで大野くんがアドリブの演出を考えてくれました」(加藤さん)

「他のチームに負けたくなくて、ギリギリまでプレゼンの中味を考えていました。出番を待っている間に『ボディービルダーとダンサーの動きを実際にやってみたら面白いんじゃない?』と思いついて、みんなに話したんです」(大野さん)

 会場を沸かせたあのパフォーマンスは、なんと直前になって組み込まれたアイデアだったのだという。

「本当に出番の直前でしたね。どのタイミングでやるかを決めて、ぶっつけ本番でやりました」(成田さん)

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