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2018年11月22日

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サイモン・ジャック BBCビジネス編集長

日産のカルロス・ゴーン会長の逮捕、勾留、そして予定されている解任は、「冷静に計画された悪意ある攻撃」だとする声がある。

会長に近い情報筋がそう説明している。

ゴーン会長は19日夜、日産から得た報酬を過少申告し、また日産の資産を私的に支出したとして逮捕された。

一部観測筋はこの動きを、自動車大手3社の戦略的提携であるルノー・日産・三菱アライアンスにおける勢力均衡の白紙化を目指すものと見ている。

仏自動車大手ルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)でもあるゴーン容疑者は、ルノーと日産の提携を設計した人物でもある。ルノーの自動車販売台数は日産より少ないにも関わらず、ルノーは日産の株式43%を所有し、支配的パートナーになっている。日産はルノーの株式を15%しか所有していない。

日産がゴーン容疑者の会長職を解き、西川広人CEOを後任にするとみられるのに対し、ルノーはゴーン容疑者の会長解任を見送った。ルノーは暫定措置として、ゴーン会長が持っていた権限をティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)に引き継がせている。

昨年は生産台数約1000万台を記録した3社連合について、日本政府と仏政府は保護されるべきだと主張した一方、ルノーによる日産への権限行使と、その権限がゴーン容疑者に一極集中していたことに、日産幹部らは不快感を抱いていたと広く考えられている。

英経済紙フィナンシャル・タイムズは、ルノーと日産の完全な企業合併計画が提案されていたと報じた。しかし情報筋はBBCに対し、新会社1社を設立する完全な企業合併は「一度も選択肢にならなかった」と主張している。

20年近く前に日産を破産から救ったゴーン会長だが、その英雄的地位は、西川CEOを含む日産社内の一部をいら立たせていたと言われる。ゴーン会長が「暴君」になっていたのかという質問に、西川氏は答えなかった。

ゴーン容疑者に対する容疑は、日産社内の従業員からの告発も助けとなって固められた。この従業員は、最近日本に導入された、告発者に対する刑事免責を定めた新司法制度を利用した。

ゴーン容疑者の日産における未来の有無は22日、東京証券取引所での取引終了時間である日本時間午後3時が過ぎた後に発表される予定となっている。

一方、ルノーでの先行きや、ゴーン容疑者がほとんど独力で作り上げた3社連合の運命が決まるまでには、かなり長い時間がかかるかもしれない。

(英語記事 Is Carlos Ghosn's arrest a ‘hatchet job’?

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46298899

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