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2018年11月28日

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米南部ミシシッピ州で27日、連邦上院(定数100)補欠選挙の決選投票が行われ、共和党現職のシンディ・ハイド=スミス議員が当選した。民主党の対立候補で黒人のマイク・エスピー元農務長官は、ハイド=スミス議員のこれまでの発言が人種差別的だと批判を重ね初当選を目指したが、及ばなかった。

中間選挙で争われた上院の全議席がこれで確定し、与党・共和党が改選前から2議席増の53議席を確保した。

ミシシッピ州は共和党支持が圧倒的な保守地盤のひとつ。開票がほぼ終了した時点で、ハイド=スミス議員の得票率は53.9%、エスピー元長官は46.1%だった。

公開リンチに……

決選投票に向けて、ハイド=スミス議員が「公開の絞首刑に呼ばれたら、最前列で出席する」と発言する録画が公表された。奴隷制廃止後も、黒人を首からつるして殺害するなどのリンチ殺人が続いた地域だけに、議員に対する批判が高まり、支持率が伯仲するようになった。

エスピー氏はハイド=スミス議員の絞首刑発言を「おぞましい」と強く非難し、同議員が再選されればミシシッピ州がいまだに人種差別的な南部州だというイメージが悪化してしまうと選挙戦を展開した。

これに対してハイド=スミス氏は、「悪い意味で言ったのではない」と反論していた。

ハイド=スミス議員についてはさらに、南北戦争で奴隷制維持のために戦った南部連合のジェファーソン・デイビス大統領宅で記念撮影し、「ミシシッピの歴史の最高峰」とキャプションをつけていたことが発覚した。

また、同議員が投票妨害を奨励していると思えるビデオもツイッターに登場。その中で議員は、「投票してもらいたくないかもしれない(リベラルには)、少しだけ(投票)しにくくしてみようか」と述べていた。

投票に先立つ公開討論会で、議員は「自分の発言を不快に思った人には謝ります」と述べる一方で、対立陣営が自分の言葉を「政治的な武器」として「ねじまげた」のだと弁明していた。

26日には州都ジャクソンの州議会議事堂で、絞首刑用の縄が複数見つかった。地元報道によると、縄のそばには、「リンチ被害者の命を尊重する人」に投票するよう呼びかけるプラカードが置かれていた。「時代は変わっていない」ことを周知するのが縄のねらいだと説明もあったという。

全米黒人地位向上協会(NAACP)によると、1882年~1968年の間に米国内で起きたリンチ殺人4743件の内、被害者の72.7%が黒人で、79%が南部で起きた。ミシシッピ州では581件のリンチ殺人があり、全米最多だった。

クリントン政権の農務長官だったエスピー氏は、2011年にコートジボワールで行ったロビー活動が注目を浴びた。コートジボワールでは2011年に失脚したローラン・バグボ前大統領が当時の騒乱で人道に対する罪を犯した罪で国際刑事裁判所に訴追されている。

共和党議員の勝利を受けてドナルド・トランプ大統領は、「みんなあなたを誇りに思っている」とツイートした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1067624656943935493

投票前夜に応援のため現地入りする際、トランプ氏は同行記者団に、「彼女がどういう人か知っているし、謝罪したのも知っている。あれは失言だった」と話していた。対立候補のエスピー氏については、「ミシシッピに住む人たちより不法移民を守りたがる」極左思想の持ち主だと批判した。

当選が確定したハイド=スミス議員は、「今日誰に投票したかを問わず、私はミシシッピ州の全員の代表になることを、みなさんに知ってもらいたい」と声明を発表した。

エスピー氏は敗北を認めながら、「歴史的な選挙戦を展開したことを誇りに思う」と述べ、応援に感謝した。


補欠選挙の決選投票

ミシシッピ州では共和党のサド・コクラン連邦上院議員が今年4月に辞任し、州知事が後任にハイド=スミス議員を任命した。11月6日の中間選挙で、ハイド=スミス議員は2021年に満了するコクラン前議員の任期の残りを、他の候補2人と争った。

6日の投票ではどの候補も過半数を獲得しなかったため、州法の規定にもとづき決選投票が27日に行われた。6日の投票ではハイド=スミス議員とエスピー元長官の得票率は共に約41%に留まっていた。

(英語記事 Republican wins Mississippi Senate vote marked by race row

提供元:https://www.bbc.com/japanese/46368637

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