WEDGE REPORT

2018年11月30日

»著者プロフィール
閉じる

朴承珉 (パク・スンミン)

在韓ジャーナリスト

在ソウルジャーナリスト。時事通信ソウル支局記者を経て、「文藝春秋」「週刊文春」のソウル特派員。長年、北朝鮮問題をウオッチ。平壌や開城工業団地、板門店、金剛山など7回以上北朝鮮入りして取材。日韓メディアに寄稿している。

農村では歓迎される外国人労働者

 一方、農村では人手不足を訴えて外国人労働者を好んでいる。「外国人労働者がいないと農業ができない。我が地域は10人中に9人は外国人労働者と見ればいい。韓国人は70、80代の老人がほとんどで、外国人は30~40代で、生産性の面でどうせなら外国人を雇わざるを得ないのではないか」(50代の男性)

 建設現場でも外国人労働者が仕事をしているが、主にビザの期限が切れた後も滞在している不法滞在者が多いという。明け方の人力市場、日雇いの建設市場では40~50代の韓国人が外国人不法採用で仕事先を失いつつあり、不法採用を強力に防いでほしい、と要求している。これを受け法務省はこの9月に対策を発表した。

40~50代家長の最後の避難所、建設現場

 「40~50代家長の最後の避難所、建設現場を強く取り締まるー不法滞在の就職外国人対策発表」という4、50代を意識したような見出しの資料を出した法務省は、「建設業労働市場に不法滞在者の就職が増えるにつれ、40~50代の国民の単純労働の働き口が消えつつある」とし、「韓国人の建設業労働者の生存権を脅かす段階にまで達し、特別対策を発表するようになった」と述べた。

 また、「建設業の不法就業者は、『ワン・ストライクアウト制度』を適用し、初の摘発時にもすぐに出国措置する」とし、(消極的)雇用創出の効果を収めることができると期待される」と述べた。"雇用大乱"の批判が続くや、法務省も"雇用対策"と打ち出したようだ。法務省は本来、雇用を担当する省庁ではない。雇用の難局を「異邦人(不法滞在者)のせい」にする印象を拭えない。

 10年前までは建設業界では、単純労働職でもコミュニケーションが難しく、業務への熟練度が落ちることを理由に、外国人をあまり歓迎しなかった。ところが、建設市場で"小骨が太くなった"外国人が増え、雇用主の視線を引き付けるようになった。現場の関係者らによると、同じ建設の単純労働の仕事をしても韓国人は12万ウォン(日当)、東南アジアの不法滞在者は5万ウォン前後を受け取るという。

 韓国人よりは収入が多くないが、労働時間が長いためか、外国人労働者の46.9%は月平均200万~300万ウォン(約20万~30万円)を稼いでいる。外国人労働者の国内消費の効果は多少あると言われるが、海外への送金額も相当な金額だ。外国人労働者の本国への送金額は、16年には14億8000万ドルだったが、17年には34億4000万ドルに急激に増えている(雇用労働庁)。

関連記事

新着記事

»もっと見る