WEDGE REPORT

2018年11月30日

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朴承珉 (パク・スンミン)

在韓ジャーナリスト

在ソウルジャーナリスト。時事通信ソウル支局記者を経て、「文藝春秋」「週刊文春」のソウル特派員。長年、北朝鮮問題をウオッチ。平壌や開城工業団地、板門店、金剛山など7回以上北朝鮮入りして取材。日韓メディアに寄稿している。

「私たちは奴隷ではなく労働者だ」

 ところが、外国人労働者は不満も多いようだ。今年10月にソウル都心で開かれた「2018全国移住労働者大会」に参加した外国人労働者1千人余りは、「私たちは奴隷ではなく労働者だ」と叫んだ。「雇用許可制の廃止、労働許可制の実施」というスローガンがあちこちで響き渡った。

 前述したように、雇用許可制は、外国人労働者を同等に待遇するという趣旨で04年に導入された。ところが、この制度は外国人労働者が事業場(仕事先)の移動を希望する場合、既存の雇用主の許可を得るように規定している。このため、外国人労働者は、「事業場に問題があれば、いつでも新しいところで働けるようにする労働許可制を導入すべきだ」と主張している。

 外国人雇用法に従って、外国人労働者の権益を保障している雇用主は多くないことが分かった。雇用労働省が今年3月から4月にかけて行った「18年外国人労働者雇用事業場の対象の合同点検結果」によると、実に88.3%が賃金遅払い、最低賃金の支給違反など、違法行為を行っていたことが分かった。

 文在寅政権は、低所得層や庶民中心の経済政策に重点を置いている。分配中心のいわゆる"所得主導成長"政策だ。最低賃金(時給)1万ウォンを大統領選挙の公約に掲げ、昨年に6740ウォンに、今年は7730ウォンに引上げた。ところが、いざ小規模資本の自営業の経営者やコンビニなどは、給与の負担で運営がもっと厳しくなったと不満を表している。

 韓国は最悪の経済状況下で、国内の労働者と外国人単純労働者らが相互補完し合いながら共存できる「ウィン・ウィン戦略」とは何か、工夫が必要なときである。

  
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