世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年12月7日

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 サウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がサウジ当局により在トルコ総領事館で殺害された事件の最大の注目点は、サウジのムハンマド皇太子が直接指示したか否かである。この点につき、CIAはムハンマド皇太子の指示だったと結論付けたが、トランプ大統領は11月20日、ムハンマド皇太子を擁護する声明を発表した。概要は、次の通り。

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 イランは、イエメンにおけるサウジとの血みどろの代理戦争に責任があり、イラクの民主主義を不安定化しようと試み、レバノンでヒズボラを支援、シリアではアサドを支持するなどしている。イランは中東で、多くの米国人、その他の無辜の人々を殺害してきた。イランは世界でテロへの支援を主導している。

 それに対し、サウジは、イランが撤退するならばイエメンから喜んで撤退する用意がある。緊急人道支援をする用意もある。さらに、サウジはイスラム過激派テロとの戦いに多額のカネを投ずることに同意してきた。

 昨年の私(トランプ)のサウジ訪問を受け、サウジは、1100億ドルの武器購入を含む、4500億ドルの対米支出・投資に合意している。多くの雇用を創出し、経済発展に莫大な寄与をすることになろう。我々が愚かにもこうした契約を破棄すれば、ロシアや中国を大いに利するだろう。中露がサウジとの新たなビジネスを全て持ってくことになる。

 ジャマル・カショギに対する犯罪は酷いものであり、米国としては容赦できない。実際、我々はカショギ殺害事件に関与した17名のサウジ人に対し強い制裁を科している。

 サウジ側は、カショギは「国家の敵」でムスリム同胞団のメンバーであると言っているが、私の決断はその言い分には全く立脚していない。本件は、容認し得ない恐ろしい犯罪だ。サルマン国王とムハンマド皇太子は、事件への一切の関知・関与を強く否定している。米国の諜報機関があらゆる情報を精査しているが、皇太子はこの悲劇的な出来事を知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない。

 我々は、カショギ殺害事件をめぐる全ての真相を知ることはできないかもしれない。いずれにせよ、サウジは、イランとの戦いにおいて非常に重要な同盟国だ。米国は、サウジとの強固なパートナーシップを維持し、米国、イスラエル、その他すべての地域のパートナーの国益を確保するつもりだ。世界からテロの脅威を完全に除去するのが、我々の最大の目標だ。

 米議会には、別の方向に行きたがっている人もいるが、彼らがそうすることは自由である。私は、どんな案が提示されても考慮する。ただし、米国の安全に全く矛盾しなければ、である。サウジは米国に続く産油国である。サウジは、油価を適正な水準に保つようにとの私の要求に、よく対応してくれている。世界にとり重要なことだ。米大統領として、私は、米国の国益を追求し、我々に害を与えようとする国には精力的に対抗する。それが「アメリカ第一」ということだ。

出典:‘Statement from President Donald J. Trump on Standing with Saudi Arabia’(White House, November 20, 2018)
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/statement-president-donald-j-trump-standing-saudi-arabia/

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