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2018年12月2日

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イノウエヨシオ

株式会社ファンドレックス取締役COO(最高執行責任者)。共益投資基金ジャパン代表理事。NPOや公益法人向けのファンドレイジング研修では年間3000名以上に講演。地域の課題解決のための取り組みを全国各地で行うと共に、チャリティイベントの企画や災害対応の研修などで高い評価を得ている。資金的支援に経営的支援を組み合わせた新しい資金循環にも取り組んでいる。

実際に命を守ることを備えていく

 あなたは、災害が起こった時に、どんなものが必要だと頭に思い浮かぶだろうか?一般の人を対象にしたアンケートでは以下のような結果になったという。

 「一般の人が必要だと思うもの」

  1. 非常食
  2. 懐中電灯
  3. ラジオ
  4. 携帯トイレ

 あなたの回答と比べて、大差なかっただろうか? しかしながら、災害のプロが選ぶ防災用品というのはこんな順番になる。

「災害のプロが必要だと思うもの」

  1. 笛/ブザー
  2. 懐中電灯
  3. 携帯トイレ
  4. マスク
  5. ポリ袋

 どうだろうか? 共通しているものもいくつかはあるが、意外にも災害のプロのリストには、非常食などの食べるものは挙げられていない。1位の笛/ブザー、2位の懐中電灯は何を意味するのか?

 発災するとよく言われるのが「72時間の壁」。災害が発生してから生存率が急激に低下するので、それまでに緊急救助しなければならない目安として、人命救助は「発災後72時間が勝負」とされている。人は飲まず食わずでも3日間ぐらいは生き延びることはできるが、家屋の下敷き等で生き埋めになったりすると、3日間発見されないと生き延びる確率が低くなる。

 実は、災害のプロのリストでは、命を発見されるためのツールとして笛やライトが上位に位置しているのだ。実際、被災すると食料や水は割と地域での備蓄品などもあり、入手できることが多いのだが、断水して困るのは飲む水ではなく(これもペットボトルが数多く出回る)生活用水、とりわけ、トイレが流れないことがこんなに大変かという体験が待っている。

 また、被災地は家屋の倒壊などで飛散しているホコリが物凄くマスクや携帯の雨カッパは重宝する。ポリ袋があればバケツがなくても水は運べるし、ポリ袋に入れて使えば食器も洗わなくてすむ。

 このように、災害のプロのリストには、それまでの過酷な経験の中で体得してきた、実践的な命を守る具体的な術が隠されている。

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