2024年4月17日(水)

WEDGE REPORT

2018年12月7日

就職している外国人は黒字

 冒頭で述べたように、13年から17年まで最近5年間、外国人健康保険の地域加入者財政収支は7092億ウォン(約700億円)の損失を出した。だが、これまでの内容と数字は、いわゆる就職している外国人ではなく、‘地域加入者’だけの集計である。ところが、外国人の職場加入者を含めた全体外国人健康保険の財政は黒字である。外国人健康保険加入者の70%を占める外国人職場加入者は、支払った保険料より給付の恩恵が少ないからだ。

 全体の外国人健康保険加入者の財政収支は17年に2490億ウォン(約250億円)など、この5年間で1兆1000億ウォン(約1000億円)の黒字となった。国内企業に就職した外国人健康保険職場加入者は韓国人と同様に健康保険に、当然、加入しなければならない。内国人と同じ給料で保険料率6.24%を適用した健康保険料を支払わなければならない。ところが、大半の外国人職場加入者は、若くて健康で病院を沢山利用しないため、外国人健康保険の財政が黒字になる。

 国民健康保険公団と健康保険審査評価院が、17年の診療費を分析した健康保険の主要統計を見ると、国民1人当たりの月平均健康保険診療費は11万3612ウォン(約1万円)で、16年より6.9%増えた。昨年、外国人を含め韓国全体の健康保険で支出された診療費は69兆6271億ウォン(約7兆円)だったのに対し、健康保険で納められた金額は50兆4、168億ウォン(約5兆円)だった。これまで累積積立金があるとはいえ、収入より支出がほぼ20兆ウォン(2兆円)多い。(健康保険の保障性強化政策の)“文在寅ケア”で追加財源の投入が予想され、健康保険の財政健全性に対する懸念はさらに強まる見通しだ。

 保健福祉省は、改正案に対する立法予告の期間が終わった後、法制処庁の審査を経て閣議で可決されれば、公布後に施行する計画だ。保健福祉省はすべての手続きを終えれば、早ければ12月初めか遅くても12月末には改正案を施行できると見ている。

【※参考】

非専門就労の外国人労働者は特別な技術を必要としないと。韓国語や、指を自由に動けるか、などの簡単なテストを受けて選抜する。これは国同士でMOUを締結している。現在に韓国とMOUを締結している国は16カ国で、非専門人力は23~24万人くらいである。この人たちに対する健康保険は雇用主が義務的に入るようになっている。しかし、雇用主が非専門就労の外国人労働者の分の健康保険に入ったかどうかについては一々確認できない。また、最初、韓国に入ってきたときは、職場加入者になっていたが、その職場をやめたりして、健康保険が入ってない場合に、地域加入者として、個人的に健康保険に入ることもある。

  
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