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2018年12月8日

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ドナルド・トランプ米大統領の元顧問弁護士、マイケル・コーエン被告(52)が特別検察官の調べに対して、2016年米大統領選をトランプ氏に有利に動かそうとするロシア当局に協力したと認めたことが明らかになった。ロバート・ムラー特別検察官が7日、連邦地裁への書面を通じて発表した。これとは別にニューヨークの連邦検察も、コーエン弁護士が大統領選中にトランプ氏のために不倫相手に口止め料を払ったことなどについて、求刑書面を提出し、トランプ氏の指示による犯行だったと示唆した。

ロシアとトランプ陣営による大統領選介入と共謀の疑惑を捜査するムラー特別検察官はさらに、トランプ陣営の選対本部長だったポール・マナフォート被告(選挙とは別の詐欺罪などで起訴)について、司法取引後に虚偽の供述をしたと書面を裁判所に提出した。ロシア情報機関関係者との接触などについて5件、虚偽の供述をしたという。

コーエン弁護士は11月29日にニューヨーク連邦地裁で、トランプ氏の不動産取引について連邦議会に偽証したと認めていた。2016年米大統領選の最中にトランプ氏の会社がモスクワでビル建設を計画していたことについて、議会に虚偽の内容の文書を提出したという。

元顧問弁護士のロシア協力

コーエン被告の求刑に関する特別検察官の書面によると、被告は取り調べに様々な情報を提供した。その概要は次の通り――。

  • 大統領選中に連絡を取り合っていたロシア関係者について情報提供
  • ロシア関係者と連絡をとる際に、他に誰と何を協議したか供述
  • 2017年~2018年にかけて連絡を取り合っていたホワイトハウス関係者について有益な情報を提供

特別検察官はこうした点を、情状酌量の理由として裁判所に説明している。

さらに書面によると、コーエン被告は自分が大統領選の最中に「ロシア連邦で信用があると自称する人物と接触した」ことを認めた。被告によるとこの人物は、トランプ陣営に「政治的シナジー」と「政府レベルのシナジー」を提供できると持ちかけてきたという。さらにこの人物は、「個人1」とロシア大統領の会談を提案し、「政治的にもビジネス的にも得策だ」と持ちかけてきたが、会談は実現しなかった。

コーエン弁護士はこれまで、トランプ大統領を意味して「個人1」という表現を使っている。

特別検察官の書面はさらに、トランプ氏の会社は大統領選渦中の2016年まで、数億ドルの利益が期待できるモスクワの高層ビル建設計画を協議し、トランプ氏も内容を承知していたと強調。モスクワ高層ビル計画の交渉は「ロシア政府が米選挙介入作業を継続していた時期」に行われたと指摘している。

ニューヨーク連邦検察は「個人1」の関与を

ムラー氏とは別にニューヨークの連邦検察は7日、コーエン弁護士への12日の量刑言い渡しに先駆け、選挙資金法違反や脱税、連邦議会への偽証などを認めている被告には「相当の」実刑を言い渡すべきだと裁判所に書面で主張した。

その中で連邦検察は、コーエン弁護士が「2016年大統領選の行方を左右する」目的で、トランプ氏と不倫関係にあった女性2人に口止め料を払ったと断定。さらに、弁護士のその行為は「個人1と調整しながら、個人1の指示のもと」で行われたと主張している。

トランプ大統領はロシア疑惑捜査を一貫して「魔女狩り」と非難し、ツイッターでもムラー特別検察官への個人攻撃を繰り返している。

特別検察官と連邦検察の書面提出を受けてホワイトハウスは、新しい事実はないし、大統領の立場を損ねる内容もないと反論した。

トランプ氏もツイッターで、「大統領は完全に無罪放免だ。ありがとう!」と書いた。ただし、何を指しているのかは不明だ。

(英語記事 Trump ex-lawyer Michael Cohen's help with Russia probe revealed

提供元:https://www.bbc.com/japanese/46492995

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