2024年4月24日(水)

Wedge REPORT

2011年9月2日

 大阪府警は07年6月、渡辺氏を詐欺恐喝容疑で逮捕した際、渡辺氏の携帯電話を押収した。おそらく05年に携帯電話を買い換えたのだろう。押収した携帯には05年6月から07年6月までの間、紳助氏と交わしたメール106通が保存されていた。これが証拠となり、紳助氏が渡辺二郎氏を介して、いかに橋本会長に心酔し、深く交際していたか、如実に示すことになった。

 他方、橋本会長も05年6月競売入札妨害容疑で大阪府警に逮捕され、06年3月にも詐欺未遂容疑で逮捕された。会長宅の家宅捜索も併行され、橋本会長とのツーショット写真や紳助氏直筆の礼状なども押収されたようだ。橋本会長が逮捕された際、紳助氏は「会長心配です! ほんま警察むかつきますね!」などとのメールを渡辺氏に送っている。

 メールについては大阪府警捜査四課が解析、調査し、報告書にまとめている。検察側がこの報告書を裁判所に提出したため、府警ルートか弁護士ルートでメールが流出したと推測されている。

 吉本興業もメールを入手し、その重大性に気づいた。メールを突きつけられれば、紳助氏と橋本会長との交際を否定できない。それで紳助氏に事情聴取したわけだが、紳助氏は橋本会長との交際を否定せず、それが問題になるなら、芸能界を引退すると言い切ったと推測される。

 吉本興業にすれば、できるなら紳助氏に交際を否定してもらいたかったはずだが、紳助氏は情報はウソだと否定しなかった。せめて「今後は橋本会長との交際を断つ」ぐらいは言ってほしかっただろうが、それも紳助氏は拒否した。これにより紳助氏を謹慎処分にしてほとぼりの冷めるのを待ち、芸能界に復帰させるルートは断たれた。

引退後の行く末は・・・

 紳助氏は極心連合会・橋本会長と絶交するとは約束できなかった。10数年前の街宣車騒ぎのとき、丸く納めてくれたのが橋本会長である。紳助氏は「大恩ある橋本会長に手のひら返しはできない」と判断したのだろうが、もう一つ恐怖心も働いたはずだ。


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