“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2018年12月27日

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(写真:AFP/アフロ)

日本代表に期待すること

 ワールドカップで勝利するのは容易なことではありません。軽いミスプレーなど許されない世界です。張りつめた緊張感を持って、最後まで切れない試合をして決勝トーナメントに進んでほしいと思っています。

 これは多くの人たちが願ってもいるし、期待していることでしょう。

 体格的には劣るだろうから、一人で倒せないなら二人で倒しにいく。しんどいだろうけど、食らいついて、食らいついて、最後まで食らいついて運動量で勝ってほしいと思っています。

 日本代表としてはロシアとサモアに負けるようでは道が絶たれてしまいます。アイルランドは今年ニュージーランドにも勝っていますから優勝候補と見ていいでしょう。であれば、プール最終戦のスコットランドが山場になる。

 ここに勝つかどうか、決勝トーナメントに進出するのはそんなストーリーが考えられます。

――林さんにとってラグビーとは?

林:浸りきれるものであり、沸き上がる感動であり、人生そのものです。ラグビーは余計なことを考えられない修羅場だからいいんです。すべてを忘れて浸りきらなければできない世界なのです。

 まさに生きている証。グラウンドの中に全てを懸けて人生を背負っていく。

 これが最後だ。これが最後だと思いながら試合をする。ここで倒れて死ぬかもわからない。そんな気持ちにさせてくれるもの、それがラグビーなんです。

 「ハードだけどフェアに戦う。だからこそ共有するものが生まれる。それがラグビーだ!」

 ノーサイドの精神(互いを認め合い、敵味方の分け隔てない心)をどこよりも大切にしているのが日本で、ONE FOR ALL, ALL FOR ONEは「和」の精神を表したものと考えています。

 海外ではあまり使われておりません。もしかすると日本で言い始めた言葉なのかもしれませんが、世界に発信していきたいラグビー哲学だと思っています。

 ワールドカップで世界一を決めることも大切だけど、そういった精神を伝えることも大切なのだと思います。ワールドカップイヤーを契機にONE FOR ALL,ALL FOR ONEの「和」の精神を世界に発信していきたいと思っています。

――現在のラグビーとの関り方と今後の夢を教えてください。

林:NPO法人ヒーローズとして活動しています。主なものはラグビー寺子屋で各地を回ることや『ヒーローズカップ(11~12歳を対象にした全国規模の大会)』を開催しています。

 「子供世代へのラグビーの普及と育成」が主なテーマで、こうした活動を通じてノーサイドの精神やONE FOR ALL, ALL FOR ONEの「和」の心を伝えていきたいと思っています。

 ヒーローズカップは現在11年目になります。第1回大会は近畿大会で最初は32チームが集まって、決勝大会は神戸製鋼のグラウンドで開催しました。

 その後、決勝は神戸のユニバーに変わり、花園を借りるようになって昨年の第10回大会は全国から236スクールが参加して、決勝はキンチョースタジアムで行い、スポーツ庁の鈴木大地長官にご観戦頂き、スポーツ庁長官賞を頂くまでになりました。今年度の決勝大会はワールドカップと同じ日産スタジアムで開催されます。

 もうひとつは神奈川・横浜会場のアンバサダーとして大会を盛り上げるためのイベントなどに出席しています。

 先日はニュージーランドとオーストラリアの子どもたちを招待して『日新豪少年少女ラグビー交流フェスティバル』を開催して、子どもたちの交流試合を行いました。

 また、来年は『こどもRugby World Festival』をやろうと準備を進めているところです。

 参加国はスコットランド、アイルランド、サモア、オーストラリア、ニュージーランド、イングランド、フランス、アメリカの8カ国を第一候補にしています。対象年齢はヒーローズカップと同じ12歳の子どもたちです。

――2005年、筆者も運営にかかわった『阪神淡路大震災復興10周年記念~将来世代育成プロジェクト ラグビー寺子屋』の際に語っていた林さんの夢(世界の子どもたちの交流試合)がワールドカップイヤーに実現することになるのですね。

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 『ヒーローズカップ関東大会』の前日というお忙しいなか、林敏之さんにお時間をいただきました。熱くて真摯なお人柄が伝わってまいりました。

 長時間にわたりありがとうございました。深く感謝しております。

  
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