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2018年12月26日

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インドネシア当局は25日、西部のスンダ海峡で22日に発生した津波を受け、海底の地滑りによる津波も関知する新しい津波警報システムを構築すると発表した。

スマトラ島やジャワ島の海岸を襲った津波は、火山島アナククラカタウの火山活動によって海底で起きた地滑りが原因と考えられており、これまでに少なくとも429人が死亡した。

当局はBBCに対し、来年から新しい観測ブイの設置を始めると述べた。

この津波ではなお約150人が行方不明となっているほか、1万6000人が避難生活を送っている。

救助隊はスマトラ島とジャワ島で被害の大きかった地域の村を回り、重機の助けを借りながら、がれきの間から生存者を捜索している。

新しい津波警報システム

インドネシア技術評価応用庁のイヤン・トゥリャナ報道官はBBCインドネシア語の取材に対し、新しい警報メカニズムは津波の規模を関知することで作動すると説明した。

現状の技術は今回の津波を予測できず、スンダ海峡に面する町は津波に飲まれた。

現状のシステムは地震を感知するものの、致命的な津波を生む可能性のある海底の地滑りや火山の噴火には対応していない。

資金不足や観測ブイへの破壊行為、そして技術的故障のため、津波警告システムは2012年以来作動していないという。

しかし、もし観測ブイが火山の近くにあったとしても、アナククラカタウが海岸線に近いことから、警報が鳴ってから避難するまでの時間は最小限だっただろうと専門家は指摘している。


アナククラカタウに近い海岸付近の住民は、火山活動が続いており新たな津波の可能性があるため、海岸から離れているよう警告されている。

被災地の状況は?

ジャワ島バンテンで取材しているBBCのサミール・ハシミ記者は、道がふさがれたり大雨が降ったりするなどして、救助活動は難航していると報告した。

また、汚染された水によって病気が広がる懸念もあるという。

遠隔地にも食料や飲料水、毛布、医薬品などが徐々に到着しており、何千人もの被災者がテントのほか、モスク(イスラム教礼拝所)や学校などの一時的な避難所で暮らしている。

ジャワ島西部ラブアンの自治体職員アトマジャ・スハルさんはロイター通信に、「皆がまだパニック状態だ。災害はよく起こるが、こんなにひどくはない(中略)神が再建を望まれている」と語った。


津波は現地時間22日午後9時30分(日本時間同日午後11時30分)ごろに被害地域を襲った。この日の現地は休日で、地震警報もほとんど出なかったもよう。

津波のため観光客に人気の複数行楽地で建物数百棟が損害を受けたほか、自動車が押し流され、樹木も根こそぎ流された。被害地域の中には、ジャワ島西部のビーチリゾート、タンジュンレスンもあった。

タンジュンレスンでは津波当時、インドネシアの人気ロックバンド「セヴンティーン」がライブ演奏中だった。ソーシャルメディアで拡散している動画には、ライブが行われていたテントに津波が押し寄せる様子が映されている。

津波によりステージも破壊され、「セヴンティーン」はリードボーカルを除くバンドメンバーが死亡した。

(英語記事 'New tsunami warning system' for Indonesia

提供元:https://www.bbc.com/japanese/46683001

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