中年留学日記

2011年9月16日

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 ハーバードの授業が8月末から始まった。所属する研究所での自己紹介や図書館の使い方などの簡単なオリエンテーションをこなした後、授業選びが本格化した。社会人として自らの研究をしながらの授業選択が主流なので、研究に即した内容がメインとなる。余裕があれば教養を広げるための授業も受講してかまわない。

 学部や大学院を含め約3500に上る魅力的な授業の中から厳選するのは非常に難しい作業だが、ウェブサイトのコースカタログを検索しながら興味のある授業を選ぶ。以前はコースを紹介する製本されたシラバスが用意され、その中から選んだようだが、今は完全にオンライン。ネット上でリストを検索しながらめぼしい授業を探す。アメリカの大学では最初の1~2週間を授業選びの「お試し期間」と位置付けており、「コースショッピング」の期間とも呼ばれている。それぞれの教授が最初に自分の講義を簡単に説明し、学生が履修するか否かを判断してゆく。

日本でも有名なあの国際政治教授の授業

 自分の授業についてドライかつフランクに説明するのもアメリカ流だ。たとえば、ある政治学の教授は「この講義は一般的なアメリカの政治プロセスを扱うので、一度政治を勉強したことがある人には退屈だからとらないほうがよい」とはっきり言う。これを聞いて自分に必要ないと思った学生はどんどん教室から出てゆく。日本なら学生が多く集まる授業は「立ち見が出るほどの人気授業」と持ち上げられるのだろうが、こちらの先生はあまりそのような風潮を好まないようだ。真剣に授業を受ける学生を、責任をもって教育し、試験もしっかり内容をみて公平に成績をつけるためには人数を絞ることも大切、という考えなのだろう。

 とはいっても、やはり人気教授の講座には学生が殺到するため、教室に一度に入りきれず、日本でも有名なある国際政治の教授などは説明会を2回に分けて行ったほどだ。我々は社会人枠で在籍しているため、正規の学生とはやや扱いが異なるが、基本的には何を受講してもよい。しかし、大学院などでは、定員がいっぱいになると、登録した人以外の聴講を受け付けない厳格な教授もおり、聴講できる授業は限られてくる。行政や外交を扱うケネディスクールにはかつて政権内で働いていた教授も多く、政治の裏話を聞ける講座などは非常に人気がある。

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