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2019年8月10日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

 2001~03年に起きた「コーヒー危機」は、川島良彰さんがサステイナブル・コーヒーの必要性を考えるきっかけとなった。これが「世界最高品質のコーヒーを追求する会社」の立ち上げにつながった。

【川島良彰(かわしま よしあき)】
高校卒業後、エルサルバドル国立コーヒー研究所に留学し、コーヒー栽培・精選を習得する。 絶滅危惧種のマスカロコフェアをマダガスカル島で発見ことから「コーヒーハンター」と呼ばれるようになった。
(写真・湯澤 毅、以下同)

 その年、コーヒー価格は国際相場で生産コストの約半分まで大暴落したのである。そのため、世界のコーヒー生産者が壊滅的な打撃をこうむり、収入の激減で借金まみれになって土地を取られ、子どもを学校に通わせられないといった事態が発生した。

 原因はコーヒーの世界に投資ファンドが参入したこと。国際相場を見て売り買いされるマネーゲームの対象になった結果、実際の需要から乖離(かいり)して相場が乱高下した。その反動が襲ったのだ。

 「このままでは生産者が食べていけず、コーヒーの品質や生産量も下がり、そのしっぺ返しが必ずある」

 そう川島さんは危機感を抱いた、という。
 
どうすれば、それを回避できるか。18歳から中南米に渡って生産者の苦労を知り尽くした川島さんの答えは明確だった。

 「国際相場に関係なく、コーヒーの品質に対してきちんと価格を設定し、継続的に生産者から直接仕入れる仕組みを作ればいい」

 コーヒー生産者から直接買い付ければ、国際相場に振り回されずに、生産者の収入は増える、というわけだ。だが、いわゆる「フェア・トレード」とは違う。何でもコスト以上で買うというのではなく、良いものを作ればその対価が支払われる。生産者が品質向上に努力すれば、収入が増える「ビジネス」の仕組みだ。

 さっそく当時勤めていたUCC上島珈琲で企画を上げた。だが、あっさり却下される。

 無理もなかった。コーヒーは国際相場で商社が買い付けたものを仕入れるのが当たり前。生豆の品質で価格を相対(あいたい)で決めるというのは、従来の業界慣行に反旗を翻すに等しかった。

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