田部康喜のTV読本

2019年1月26日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 日テレ「3年A組 今から皆さんは、人質です」(毎週日曜よる10時30分)は、菅田将暉の美術教師が担任している卒業間近の生徒29人を教室に閉じ込めて、女生徒の自殺事件の真相に迫る、クローズド・サークルのミステリーである。

 クローズド・サークルは、暴風雨や吹雪などによって山荘などに閉じ込められたり、孤島を舞台にしたりして描かれることが多い。第1回「Day-1」(1 月6日)、主人公の教師・柊一颯(ひいらぎ・いぶき、菅田将暉)は、3月1日に準備していた爆薬によって天井や壁を吹き飛ばして、3年A組の教室と廊下をはさんだ美術室を外界から遮断する。

(KohnoLynn/iStock/Getty Images Plus)

 「今から皆さんには、人質になってもらいます」と、柊は生徒たちに告げて腕時計に仕掛けられた爆破スイッチを押して、一瞬にして戸惑う生徒たちを恐怖に陥れる。

 「それでは、俺の授業を始めます」と、柊は生徒を人質にした理由を聞かせる。そして、3年A組の女生徒で水泳の五輪候補にもなった、影山澪奈(上白石萌歌)がなぜ自殺したのか、考えられる原因をひとつひとつ考えさせていく。

 その答えが正解でかなったら、生徒をひとりずつ殺す、というのだった。

若手俳優陣と激しくぶつかり合うシーンの連続

 柊一颯役の菅田は、生徒を追い詰める狂気と冷静に状況を判断しながら、警察に取り囲まれて説得されても、クローズド・サークルを解かない工夫をこらす二重人格とも思わせる演技でみせる。

 生徒たちの中心人物となる学級委員長・茅野さくら役には、連続テレビ小説「半分、青い。」(2018年度上期)の主役の永野芽郁。映画「ソロモンの偽証」(2015年、成島出監督)のオーディションを通じてデビューして、その後も映画とテレビで活躍している俳優もいる。「チア☆ダン」(TBS、2018年7~9月)に登場した若手女優の顔もある。

 こうした若手俳優陣と菅田が激しく心理的に時にはからだごとぶつかり合うシーンの連続は、物語に緊張感をもたらしている。

 女生徒の影山澪奈(上白石萌歌)が自殺した原因について、生徒全員に考えさせたうえで、学級委員長の茅野さくら(永野芽郁)が、柊に告げた事実は自分に責任がある、というものだった。

 「それは違う」と、柊はいう。

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