社食に企業の想いあり

2011年10月5日

 「2004年に大阪本社で、『スマートキャンプ』という福利厚生施設が誕生しました。その中で家庭薬膳の社食を立ち上げるきっかけとなったのは私の上司の女性で、食生活が乱れていたり、疲れを溜めがちな若い社員が多いと感じたことからでした。人々の健康を謳う製薬会社の社員だからこそ、心身ともに健康でイキイキと働くことができなければ! という想いに現山田会長が賛同し、家庭薬膳の社食を作ったのです」。

 大阪本社の社食は社員のみが利用できる施設だが、東京支社では一般の人にも開放している。『福利厚生のおすそわけ』というコンセプトで、一般の人たちも毎日イキイキと過ごせるお手伝いができたらと考えています」(赤井さん)。

季節が変われば摂るべき食材も変わる

女性社員・女性客に大人気

 オフィス街で、男性向けのランチを提供する店が比較的多い中、旬穀旬菜caféは、女性を中心に、健康を気にする男性からも圧倒的な支持を得ている。訪れる社員もやはり女性が多いそうだ。毎日12時頃になると、42席ある店内はほぼ満席となる。

 定番メニューはなく、毎月必ず料理が変わっていく。季節が変われば摂るべき食材も変わるからだ。A膳主菜は月に5種類、B膳主菜は10種類もあり、毎日来ても飽きることなく食事をすることができる。

この日のデザートのいちじくは通販で購入も可能 http://www.shop.rohto.co.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=306459

 「薬膳」と聞くと、クスリのような味か、はたまた病院食のようなイメージを抱きがちだが、提供されるメニューは肉類も豊富だし、ボリュームも満点。「スマートキャンプの家庭薬膳は、旬のものをふんだんに使うことを心がけています。私たちの体調や体質は、気候と風土に培われており、四季折々その季節のものを食すことで、本来もっている自然のバランスを取り戻し、健康の維持・増進につながる、という考え方に基づいています」(菊地さん)。社員やお客さんの中でも、カフェのメニューを食べ続けることで、「以前より体調が良くなった」「寝込むような風邪をひかなくなった」という声があがっている。

 温室栽培などのおかげで、私たちは一年中ほとんどの農作物を口にすることができるが、反面、「旬」という概念が薄らいでいることは間違いない。旬のものがもつエネルギーや栄養を、もっと大事にしていこうというのが、人々の健康を考える製薬会社の使命であるとロート製薬は考えている。

リラクセーション施設も一般開放で大好評

 薬膳料理は、科学的にその効能が認められているというわけではないが、おばあちゃんの知恵袋のようなもので、人々の間で確かに受け継がれてきた。食事は、私たちの身体を作り、心を満たす。健康で心地良い毎日を過ごすためには、「何を食べるか」が重要になってくる。綿密に計算された、こだわりの食事が社食で食べられるというのはとても贅沢なこと。

 旬穀旬菜caféの他にも、同じ建物には「リラクセーションラボ」と「フットレスラボ」というスマートキャンプの施設がある。どちらもカフェ同様、もともとはロート製薬社員の福利厚生施設だが、今では一般の人も利用可能となっている。「食事だけでなく、外側からのケアで心身ともに健康であってほしいという想いから、リラクセーション施設も一般開放しています」という広報部の江頭さんも、この二つの施設はよく利用するそうだ。

 「福利厚生のおすそわけ」という企業の想いが、社食を一般開放するという発想を生んだ。
 
 
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