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2019年2月4日

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米政府は3日、経済危機と政情不安で揺れる南米ヴェネズエラに対し、人道的支援を行う方針を明らかにした。先月23日に暫定大統領への就任を宣言した野党代表フアン・グアイド国会議長(35)からの要請を受けたもの。

グアイド国会議長については、アメリカをはじめ20カ国以上が暫定大統領として承認したものの、国内では権力闘争が起きている。

ニコラス・マドゥロ大統領は、グアイド国会議長はクーデターを起こしたと非難し、国際社会の主だった協力相手との関係を維持している。

マドゥロ大統領は、軍事介入の口実だとしてアメリカからの支援の申し出を拒否している。 

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首都カラカスでは2日、マドゥロ大統領とグアイド国会議長それぞれの支持者数千人による大規模なデモが行われ、街中の通りは参加者らで埋め尽くされた。

マドゥロ大統領はこれまでヴェネズエラ軍の支持を得ているが、デモに先駆けて、フランシスコ・ジャネス空軍将軍がマドゥロ氏から離反し、グアイド氏への支持を表明した。グアイド氏支持者としては最高位の軍人になる。

グアイド氏は、マドゥロ政権打倒に向けて軍の支持を獲得するため秘密会議を重ねているほか、マドゥロ氏の主要支援国のひとつ、中国にも接触したと話している。

人道支援計画

グアイド氏はヴェネズエラ国内に支配地域を一切持っていない。そのため代わりに、多くのヴェネズエラ人が避難している近隣諸国に、支援物資の集配施設を設置しようとしている。

同氏は、支援物資を3カ所で集めるため国際的連携を確立し、援助の国内配給を認めるようヴェネズエラ軍に圧力をかけたいと述べた。

ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は3日、支援物資が入っているとみられる山積みの段ボール箱の写真と併せて、グアイド氏の計画を週末にかけて推進しているとツイートした。

「グアイド大統領の呼びかけに応えて、アメリカはヴェネズエラの人々のため人道支援を動員し輸送する。必需品の支給が週末にかけて進むよう準備してくれた、米国際開発庁(USAID)、米国務省と関係機関の努力を称える」とボルトン氏は書いた。

https://twitter.com/AmbJohnBolton/status/1091886111134236672

一方でマドゥロ氏は2日、支持者に「我々はこれまでも、そしてこれからも、こじきの国にはならない」と述べ、支援の受け入れを拒否している。

ドナルド・トランプ米大統領は米CBSに対し、軍事介入も「選択肢の1つ」だと語っている。

長引く混乱

長引く政治、経済の危機に直面するベネズエラでは、高いインフレ率に加えて、食品や医薬品の慢性的な不足が何年にもわたって続いている。2014年以来、約300万人もの住民が国外に逃れている。

マドゥロ大統領は昨年、多くの野党候補が投獄されたり、選挙をボイコットしたりする状況で再選され、今年1月に2期目就任を宣言した。

その後、グアイド氏が暫定大統領への就任を宣誓した。

グアイド氏は、マドゥロ大統領の2期目就任が違法だと判断されれば、自分は憲法上、大統領権限を一時的に掌握する資格があると主張している。2日には、支持者が「自由」を勝ち取るまで抗議は続くだろうと話した。

各国の立場は

グアイド国会議長については、アメリカをはじめ20カ国以上が暫定大統領として承認している。一方のマドゥロ大統領は、ロシア、中国、メキシコ、トルコの支持を得ている。

10日には、フランス、イギリス、ドイツおよびスペインを含む複数のヨーロッパ諸国が設定した期限の満了を迎える。この期日までにマドゥロ氏が大統領選挙を実施しない場合、これらの欧州各国はグアイド氏を大統領として承認する方針。

これに対してマドゥロ氏は、自分は今もヴェネズエラの合法的な大統領だと主張し、大統領選のやり直しを拒否した。

その一方でマドゥロ氏は、議会選挙の前倒しと野党との協議を提案している。

(英語記事 US mobilises aid for Venezuela

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47112269

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