中年留学日記

2011年10月7日

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 日本は「戦後」の意識が非常に強いが、アメリカは太平洋戦争が思考の分岐点にはなっていない。20世紀以降は現在まで通史として認識して、歴代大統領についても自分の家族のような意識で話す。自分の国のことだから当然ともいえるが、日本でどれだけの学生が歴代首相の順番や政策を間違えずにすらすら言えるだろうか。もっとも毎年のように首相が交代する日本の政治をじっくり理解することも難しいのだが。それでも政治に対する意見をしっかりもち、自分なりの評価をできる姿は印象的だ。こうした環境にいれば政治的な意識はいやおうにも高まるし、4年に一度の大統領選挙が大きく盛り上がるというのも理解できる。

実はまだまだ高い日本への関心

 ハーバードで日本や日本語について学ぶ人たちと、我々日本人が顔をあわせる機会があり、私も参加した。最近は留学生も少ないし、世界では中国やインド、韓国に関心が集中しているので日本のことを勉強する人などは少ないのかなと思ったが、さにあらず、今でも関心をもってくれている人は多いことに驚くとともに、感謝したい気持ちになった。

 日本は今でも様々な分野で注目されており、国政選挙のときに日本の新聞に載る候補者の選挙広告を過去数十年にさかのぼって調べ、選挙の争点の変遷を分析したニュージーランドの政治学者や忠臣蔵に関する研究を行っているアメリカ人学生、日本の雇用機会均等法を勉強している韓国の女性研究者など、まだまだいろいろな面で日本は注目されている。

 かつて駐日大使をつとめたライシャワー博士などを輩出したハーバードは昔から日本研究が盛んだが、そうした伝統が今でも息づいているのだと知ってうれしくなる。実際「ジャパン・アズ・ナンバーワン」で知られるエズラ・ボーゲル教授は健在で、最近、800頁におよぶ鄧小平論を書き上げ、ブック・フェアなどで忙しくされている。

 ただ、ここにきて日本語を学ぶ学生は減っているようで、今年履修登録した学生は昨年より約20%ほど減って60人ほどだという。3月11日の震災を受けて、科目選択にあたって親の意見などが影響し、この時代に日本語を学ぶ意味があるのかを考え直し、中国語などに変えたりした人も多いようだ。ただハーバードの日本研究者はみんな研究熱心で、こうした人々を大切にして、なんとかして日本に関心を持ち続けてもらいたいと思った。

各地から人が訪れるケネディの生家

ボストン郊外のブルックラインにあるケネディの生家

 ジョン・F・ケネディは(JFK)は言わずとしれた第35代アメリカ大統領だ。アメリカを語るときにケネディの名前が出ないことはない。日本とアメリカを結ぶニューヨークの空の玄関はJFK空港だし、ハーバードにはケネディスクール(行政大学院)がある。そしてその前を走るのはJFKストリートだ。ボストンの隣街のブルックラインはケネディが生まれたところであり、生家がほぼそのままの形で保存されている。最近、休日を利用してそこをたずねた。

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