家電口論

2019年2月10日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

日本の大手メーカーの立ち位置

 中国メーカーが日本市場専用モデルを開発、日本市場に本格参入を目論む今、日本メーカーは大きく二つの道を取り始めています。一つは、その未来形 / 理想形を開発する道と、もう一つは今まで作ってきた技術を低価格モデルに導入、製品化する道です。

 日立が、冷蔵庫で取ったのは、未来形 / 理想形を開発する道です。その代償として、何年にも渡り、開発、訴求してきた「真空チルド」を使うことはできませんでした。これはメーカーに取り痛い話です。お金と時間を掛け、ユーザーに認知されている技術、特長に封するわけですから。しかしそれでも、私は大手メーカーは未来形 / 理想形を開発しなければならないと考えています。

 理由は、今まで作ってきた技術を低価格モデルに導入、製品化することは中小のメーカーが手がけていますし、中国メーカーの製品も、それに似た動きをしているからです。低価格競争の場合、大手メーカーと言えども、中国メーカーにコストで敵いません。特に日本品質維持だと負けます。このため、大手メーカーは、その対価をきちんと支払ってくれる人に対し、本当にいいモノを売るべきなのです。

 そしてもう一つ、中国人の知人から聞いた話を付記します。中国では、ソニーは憧れのブランドだが、シャープは買収できるブランドと見なされているそうです。理由は、テレビの売り方でした。実はシャープのテレビ、中国では常に安売りしていたそうです。その結果、よいブランドイメージではなく、お金を出せば買えるというイメージを持っているそうです。結果テレビどころか、会社まで買われたわけですが、この話は、あの中国からも「日本製品は、高品質なモデルを適正な価格で売ってほしい。」と言うメッセージと捉えるべきでしょう。

 これが今の日本が、大手家電メーカーが置かれている立場だと思います。大変なことですが、頑張ってほしいです。

  
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