BBC News

2019年2月14日

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イギリスの連邦議会は14日夜、欧州連合(EU)離脱協定をめぐる審議と採決を行う。テリーザ・メイ首相は引き続き、議会で離脱協定を承認させるよう働きかけている。

今回の審議ではブレグジット(イギリスのEU離脱)の方向性を変える数々の修正案が審議される見通しだが、進展はないとみられている。

ただBBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、与党・保守党の離脱派議員が政府の支持に回ることを拒否しているため、メイ首相はここでも新たな敗北をみる可能性があると指摘している。

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首相官邸は、メイ首相が一刻も早い離脱協定の採決を求めていると述べている。一方、最大野党の労働党は、首相が「時間稼ぎ」をすることで議員に協定を支持するよう「脅迫している」と非難した。

メイ首相は交渉プロセスは進行中で、それを支持してほしいと繰り返し、議員に協定を承認するよう求めている。

しかし議員らはさまざまな協定の修正案を提出した。これには労働党が提出した、政府に2月末に離脱協定の実質的な採決を求める案も含まれる。

スコットランド国民党(SNP)からは、EU離脱プロセスを一時停止につながる法案を承認するよう求める修正案が出された。

また離脱派の英下院保守党議員から成る欧州調査グループ(ERG)からは、首相がなお協定を支持するよう求めていることに怒りの声が挙がっている。

企業活動や貿易が阻害される可能性が高いことから、大半の議員は合意なしブレグジットを避けたい考えだ。しかし、離脱派議員はこうした予測が「恐怖をあおっている」に過ぎないとして、合意なしでも期日通りにEUを離脱すべきだと主張している。

イギリスは3月29日にEUを離脱するが、イギリス議会は離脱協定内のアイルランド国境をめぐる「バックストップ(防御策)」条項を問題視し、1月に協定を歴史的大差で否決。メイ首相はバックストップの代替案についてEUと交渉することを認めたが、EU側は再交渉はできないとしており、合意なしブレグジットの公算が高まっている。


今後の動きは?

メイ首相は2月26日までに離脱協定がまとまらなかった場合、この日に議会で声明を発表することになっている。議会ではその後に審議を行い、翌27日に採決を行う。

離脱協定がまとまっていれば、議会ではこの日に1月以来2度目の「意味ある投票」を行い、協定の可否を決める。

メイ首相は12日の議会で、バックストップに法的拘束力のある変更を加えられるよう、EUとさまざまな条件を話し合っていると述べた。これにはバックストップを「代替条項」に変える案、バックストップに期限を設ける案、双方の合意がなくてもバックストップを離脱できる案などがあるという。

一方EUは、離脱協定に再交渉の余地はないとの立場を貫いている

欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長(大統領に相当)は13日、「便りがないのは良い便り、とは限らない。EU27カ国はなお、イギリスからブレグジットのこう着状態を打破する堅実で現実的な提案が来るのを待っている」とツイートした。

https://twitter.com/eucopresident/status/1095747108521627649


なおイギリスでは、国際協定の批准には議員が協定を精査するために21日間の猶予を設ける必要がある。

しかしメイ首相は「この件については、議員は意味ある投票の一環ですでに、協定を審議し承認している」として、21日間の猶予を取らない方針を示している。

その場合、イギリス政府はブレグジットに関する法案を迅速に承認するための法改正を行う必要がある。

(英語記事 MPs set to debate Brexit next steps

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47235281

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