BBC News

2019年2月18日

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高級車の独ポルシェは、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)後にイギリスでの販売価格に最大10%の関税を上乗せする可能性があると発表した。「予防策」として顧客は今後、購入の際に新たな関税がかかるかもしれないことを了承する必要がある。

ポルシェの親会社フォルクスワーゲン(VW)は、同じく傘下のアウディやランボルギーニ、シュコダ、ブガッティ、セアト、ドゥカティといったブランドでも値上げをするかどうかは明らかにしていない。

これにより、ポルシェの旗艦モデル「911」の価格は9万3110ポンド(約1300万円)から10万2421ポンド(約1460万円)になる。

スポーツ多目的車(SUV)の「マカン」およびオープンカーの「ボクスター」の価格は4万6000ポンド(約650万円)から。

ポルシェはBBCの取材に電子メールで回答し、「ブレグジット交渉の結果の一つとして、3月29日以降にイギリスに輸入される自動車に最大10%の関税がかかる可能性がある」と説明した。

「それに伴い、納入がブレグジット後になりそうな顧客に対し、関税について警告するべきだという結論に至った。購入時に十分な情報を提供し、必要であれば注文を調整できるように」

「顧客が事前に計画を立てられるようにする予防策だ」

ポルシェによると、1月17日以前に前金を支払った顧客は影響を受けないという。

ブルームバーグはまた、イギリスと欧州連合(EU)の将来の関係性についてポルシェが「包括的な明確性」を「速やかに」示すよう求めていると報じている。

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ポルシェにとってイギリスは最大市場のひとつで、昨年は1万2500台を売り上げた。一方でイギリスに生産拠点がないため、販売している車は全て輸入に頼っている。

最初にポルシェの値上げを報じた業界誌「カーディーラー」のレベッカ・チャップリン編集長は、自動車メーカーのこうした動きで、ブレグジット後の状況が明確になるまで車の買い控えが起きる可能性があり、業界にとっては悪いニュースだと語った。

「自動車メーカーとカーディーラーは顧客に明確に車の価格を伝えられなければならない。それがこの業界の基本だが、政府は助けになっていない」

イギリス自動車協会(AA)のエドムンド・キング会長は、「自動車ブランドやその販売網が追加費用を負担できなければ、輸入関税だけでも輸入車の価格を平均1500ポンド(約21万円)引き上げてしまう」と指摘した。

離脱派は懸念を一蹴

ブレグジットをめぐっては、自動車メーカーのトップから関税や製造、輸出面について懸念の声が挙がっている。

1月には英ジャガー・ランドローバーが人員整理を発表。米フォードも2021年までにイギリスでの人員を減らすと報じられた。

トヨタ自動車はイギリス政府に離脱協定の承認が自動車産業の保護に不可欠だと訴えており、合意なしブレグジットになった場合は人員整理の可能性があると述べている。

VWの広報担当者は17日、BBCの取材に対し、「我々は(ブレグジットの)進展を注意深く見守り、可能性のあるあらゆる影響について検討する」と述べた。

「離脱協定の決定について事態がこう着していることを残念に思う。我々にとってこの状況は不安と先行き不透明な状況がさらに続くということだ。あらゆる結果に準備をしていく」

「このような状況でもイギリスはVWにとって重要な、欧州第2位の市場であることに変わりはない」

これに対しイギリス国内のEU離脱派は、輸入車に対する関税の懸念はないとしている。

(英語記事 Porsche warns UK buyers of Brexit surcharge

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47275166

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