赤坂英一の野球丸

2019年2月27日

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 今年も約1カ月続いたプロ野球キャンプ、各球団とも今月末でいったん打ち上げとなった。この期間中の取材の楽しみは、何と言っても今年一軍の晴れ舞台に出てきそうな新戦力を探し出すことにある。今月中旬以降は各球団で連日紅白戦や練習試合が組まれており、一軍切符を掴み取ろうと躍起になっている若者たちの姿を見るのが非常に楽しい。

(Kenishirotie/Gettyimages)

日ハム・吉田と柿木の一軍昇格は早いかも

 今月16日、沖縄県・国頭村で行われた日本ハムの紅白戦は、間違いなく今キャンプ最高の盛り上がりだった。なにしろ、白組先発がドラフト1位の吉田輝星(金足農)、対する紅組先発が昨年夏の甲子園決勝で吉田と投げ合った同5位の柿木蓮(大阪桐蔭)。話題の新人対決を一目見ようと、人口5000人の村の球場に観衆2200人、マスコミ41社147人が集結し、球場のスタンドは超満員となった。

 私は同業者の友人と宿泊先の那覇を朝7時半にレンタカーで出発したのだが、9時半前に着いたら駐車場は満車状態。日ハムの担当記者に聞くと、「清宮幸太郎(早実)の入団で沸き返っていた昨年の同じ時期と比べても、人出の多さでは今回のほうが上ですよ」という。つまり、人気と関心度の〝瞬間最大風速〟に限れば、吉田は早くも〝清宮越え〟を果たしたわけだ。

 もっとも、肝心の投球内容とその結果は、大観衆の期待に応えたとは言い難い。1回で打者6人に29球を投げて、1安打(本塁打)1失点2四球1三振。本塁打は元巨人の大田泰示に高めの直球を真芯で捉えられたもので、完璧な力負けだった。高校とプロのストライクゾーンの違いにも結構戸惑っていたようで、ツーアウトから打者2人を連続四球で歩かせたあたりにも課題が残った。

 しかし、登板後の吉田は意外に強気なコメントを連発。大田の本塁打について「(先輩に)遠慮してしまった。もっと厳しく攻めていかないといけない」と悪びれもせず。最後に空振り三振を取った最速145㎞の真っ直ぐを、「指にかかって低めにいった。このキャンプで一番いい球だったと思います」と自画自賛して見せた。

 一方、投げ合った柿木は1回を三者凡退。リズムとテンポの良さで吉田を上回りながらも、「いいボールが少なかったのでこれから修正していきたいですね」と冷静に自己分析していた。このあたりはさすが元強豪高校のエースである。

 吉田、柿木とも早期の一軍昇格は見送られ、来月から二軍の教育リーグで実戦経験を積む予定。しかし、彼らの強気な性格や学習能力からして、今季中の一軍昇格は案外早いかもしれない。ちなみに、彼らのあとに登板した先輩、東大出身2年目の宮台康平は2回を1安打1四球無失点とまずまず。彼が一軍に残って初勝利を挙げられるか、これも個人的には大きな見どころのひとつだ。

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