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2019年3月5日

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南米ヴェネズエラの暫定大統領就任を宣言した野党代表のフアン・グアイド国民会議議長(35)が4日、南米各国の外遊を終えて帰国した。グアイド氏をめぐっては、同国の最高裁判所が出国禁止を命じており、今後逮捕され可能性がある。

首都カラカスに到着したグアイド氏は、何千人もの支持者から熱狂的な歓迎を受けた。

同国の最高裁判所は1月29日、グアイド氏の出国を禁止したほか、銀行口座を凍結する判断を下した。グアイド氏はこれに逆らって出国し、コロンビア・ボゴタで開催された中南米諸国との会議に出席するなど国際援助を働きかけた。今後、逮捕される可能性がある。

ニコラス・マドゥロ大統領(56)の辞任を要求しているグアイド氏は、集まった支持者に対し「(政権側は)我々を脅してきたが、我々はヴェネズエラのために立ちがるためにここにいる」と述べた。

マドゥロ氏とグアイド氏は1カ月以上対立を続けている。

ヴェネズエラの立法府が2018年のマドゥロ氏の2期目再選を違法だと宣言した後、暫定大統領就任を宣言したグアイド氏をめぐっては、アメリカをはじめ50カ国以上が暫定大統領として承認している。一方で中国、ロシア、キューバはマドゥロ大統領が唯一の合法的な大統領だと主張している。

深刻な経済危機と情勢不安に陥っているヴェネズエラでは、ハイパーインフレに加え、食品や医薬品といった生活必需品が不足しており、数百万人の国民が国外に脱出している。

帰国したグアイド氏の主張

首都カラカスのシモン・ボリヴァル国際空港に到着したグアイド氏は、アメリカと欧州連合(EU)の外交官や、「グアイド、グアイド、俺たちはできる」と叫ぶ支持者たちの歓迎を受けた。

グアイド氏は妻に付き添われて、反政府集会で演説した。同氏は外遊中、ソーシャルメディアを通じて支持者に集会参加を促していた。

帰国前に「刑務所だ、死だ」と脅されたというグアイド氏は、空港到着時に好待遇を受けたと述べた。入国管理官でさえ「ようこそ、大統領」と歓迎してくれたと明かした。

グアイド氏は、「このような脅迫の後も、命令に従わない人たちがいるのは明白だ。多くの人は従っていない。(マドゥロ政権の治安部隊の)指揮系統は崩壊した」と述べた。

逮捕されたらどうなる

グアイド氏が逮捕されれば、激しい抗議の声が上がるのは必至だ。

4日のグアイド氏の帰国に先立ち、マイク・ペンス米副大統領はツイッターで、マドゥロ氏に対し、グアイド氏へのいかなる脅迫も「容認されない。迅速な対応を取ることになる」 と警告した。

マイク・ポンペオ米国務長官は声明で、「外交努力の成功とヴェネズエラへの無事帰還」についてグアイド氏を祝福した。

EUのフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、グアイド氏の「自由、安全、誠実さ」を危険にさらすような措置は、「緊張の高まりにつながるだろう」と述べた。


<解説>グアイド氏の帰国でマドゥロ氏は苦境に――ウィル・グラント、BBCニュース(ヴェネズエラ・カラカス)

グアイド氏の車は、反対集会の会場に近づくにつれてほとんど進めなくなった。本人がステージに登壇すると、集まった支持者から耳をつんざくほどの歓声が上がった。

集まった支持者は、グアイド氏が単にヴェネズエラ国内に戻っただけでなく、どうやって戻ったかを喜んでいたのだろう。夜陰にまぎれてこっそり国境を越えたのではなく、カラカスの空港に降り立ち、すたすたと入国管理へ向かい、堂々と入国したからだ。

グアイド氏は次にどうするべきか。支持者の意見は極端から極端に分かれている。公然とアメリカの軍事介入を支援する人もいれば、対立は平和的な交渉で解決すべきという人もいる。しかし、マドゥロ大統領は辞任すべきだと、これについては全員が賛成している。

マドゥロ氏は、苦境に立たされている。最高裁の出国禁止命令と政権全般を鼻であしらわれた以上、マドゥロ氏はグアイド氏を逮捕するかどうか決めなくてはならない。

米政府は繰り返し、グアイド氏を逮捕しないよう警告している。もしその上で逮捕に踏み切れば、深刻な結果につながりかねないと、マドゥロ氏は十分承知しているはずだ。


(英語記事 Caracas crowds welcome returning Guaidó

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47437629

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