オトナの教養 週末の一冊

2019年3月8日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

性悪説で見直しを

 榊氏は自身がコンサルティングしたケースで、マンションの管理組合の悪徳理事長が跋扈した例を取り上げている。

 この組合では理事長が管理規約を好き勝手に変更して、自分への露骨な利益誘導を図っていたという。こういったことをするためには、管理組合の特別決議が必要になる。

 85%もの賛成投票の結果に疑念を感じて、議決権行使書と議長一任の委任状の開示を求めても、区分所有法とマンションの管理規約にはそのような規定はないので開示はできないとなった。

 「つまり、悪徳理事長が委任状や議決権行使書を偽造していたとしても誰にも暴けないのである。そもそも区分所有者法は、委任状や議決権行使書を偽造してまで自分に有利な決議を可決させようと企むような悪徳理事長の登場を想定していない。いまやマンションの管理組合は利権となり、悪意の人物が私腹を肥やすことが常態化している組織なのである」

 と話し、区分所有法は性悪説に基づいて見直すべきだと強調する。

 現実に管理組合の抱える問題点として、都内マンションの実態調査を見ると、役員のなり手がいない問題はいつもトップにランクされることが多い。

 理事長の多選を禁止している管理組合はほとんどなく、結果的に理事長が何度も再選されて、気が付いたら理事長がマンション管理費を流用していたというケースは、いくつもあるという。

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