オトナの教養 週末の一冊

2019年3月8日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

新たなバブル崩壊リスク

 今年のマンション市場については、

 「新築マンションは価格が高くなり過ぎて在庫が積みあがってきている。中古は2020年の東京オリンピック後には下がるのではないかという期待感から模様眺めになっている。さらに今年10月から消費税が上がれば、景気を冷やすことになる。価格が上がる要素は何もない」

 と、価格の下振れ傾向が強まると予想する。

 不動産市場は昨年に表面化したスルガ銀行の不正融資、レオパレス21の施工不良問題などネガティブニュースが度重なっている。

 榊氏が特に心配するのは、

 「今年は投資用アパート、マンションが過剰になり暴落する恐れがある。すでに投資用不動産の価格がかなり下落してきている」点で、

 新たなバブル崩壊のリスクがあるとみている。この数年、節税や遺産相続対策になるとして、富裕層が1棟建てのアパートやマンションに積極的に投資してきた。金融機関も2年ほど前までは建設資金を融資し、借りる側も低金利が続いているため担保を提供して必要資金を割と簡単に借りることができていた。

 当初はアパートやマンションに入居者が入り、期待通りの賃料が得られていたが、似たようなアパートやマンションが急増したことから、空き家が増えてきており、期待したほどの賃料が得られなくなってきているという。

 仮に賃料が大幅に落ち込んだりすると、資金計画の目算が狂うことになり、場合によってはアパートやマンションを手離さなければならなくなる。これが引き金となって、新たなバブルが破裂する恐れがあるという。

 金融機関はスルガ銀行の不正融資が露見してからは住宅関連融資の蛇口を閉めており、お金を借りてアパートを建てるのは難しくなっている。今年の不動産市場は要注意だ。

  
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