赤坂英一の野球丸

2019年3月13日

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バブルは弾けさせるべき

 東京オリンピックを来年に控え、政界でもかねてからこの事態を問題視。昨年、超党派で結成されたチケット高額転売問題対策議連(石破茂・共同代表)が音頭を取って、チケット不正転売禁止法を考案した。この新法が昨年12月に衆参両院で全会一致で可決・成立し、今年6月から施行される。大量購入と不正転売は処罰の対象となり、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科されるのだ。

 これが転売ヤーの排除と根絶、及び入場券の正常な流通につながればと思う。が、この法律にも抜け道がないわけではない。例えば、ネット上での転売をどのようにして「不正」と結論づけるのか。明らかな証拠がない限り、「自分が見に行けないから売ることにした」と言われたら、罰しようにも罰せられない。だから「プロ野球の場合、どこまで転売ヤーを阻止し、チケット価格の暴騰を防げるかは結局、各球団の努力にかかってくるだろう」と、あるセ球団関係者は言う。

 国の動きを受け、いち早く対応したのは、やはり近年チケットが転売されるケースの目立つDeNAだ。新法成立と足並みを合わせ、今後は転売行為の取り締まり強化、及び合法かつ適正価格によるチケットの2次流通マーケットの設置を検討していくという。

 昨年11月、日本ハムが球界で初めて導入に踏み切った「電子チケット」にも注目したい。これは無料通信アプリLINEからチケットを購入するシステムで、ペーパーのチケットが存在せず、LINEのトーク画面にチケットが届き、試合当日に球場入口でチケット画面を出し、これをタップして入場する。試合を見に行けなくなった場合、「公式リセール機能」で適正価格による転売も可能。公式戦で本格的に導入されるのはこれからだが、このシステムが定着すれば、転売ヤーもペーパーチケットの大量購入がやりにくくなるはず。

 サッカーJリーグでも、川崎フロンターレが今年から試験的にシーズンチケットの電子チケット販売を開始。来年から本格的に導入することを目指している。川崎や日本ハムに倣って電子チケットを導入する球団が増えれば、転売ヤーの締め出しに大いに役立ちそうだ。

 カープも決して手をこまねいているわけではない。大量購入者には身分証明書の提示を求めて、場合によっては不正転売をしないとの誓約書にサインを求める対抗措置を実施。さらに、来年のチケット販売に向けて新たな販売方法を模索、検討しているという。

 カープが全国区の人気チームになったとはいえ、3000円程度の内野席が5万円や6万円、優勝がかかった試合は10万円以上で売りに出される、などという事態はやはり異常だ。25年ぶりに優勝した2016年には、ネットで数十万円もの高値がつけられたこともある。いつまでもそんな転売ヤーの跳梁跋扈を放置しておいてはならない。こういう〝チケットバブル〟はとっとと弾けさせるべきだろう。

  
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