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2019年3月13日

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イギリス下院が12日夜に欧州連合(EU)離脱協定を否決したことを受け、経済界の様々な団体からは「へきえき」とした声が挙がっている。

複数の経済団体は下院に対し、合意なしブレグジット(イギリスのEU離脱)の可能性を排除し、明確なブレグジット案を提示するよう求めた。

下院は13日、合意なしブレグジットを認めるかどうか採決する。否決された場合には、14日にEU基本条約(リスボン条約)第50条に定められた2年間の離脱交渉期間を延長し、EU離脱を3月29日以降に遅らせるかどうかを採決する予定。

金融業界団体のシティーUKは、合意のないままEUを離脱することは、「歴史的なオウンゴール(自殺点)だ」と批判している。

また英産業連盟(CBI)のキャロライン・フェアバーン事務局長は、ブレグジットの延期は「明確な計画の下、現実的な範囲でできるだけ短くするべきだ」と述べた。

「今こそ、議会はこの見世物を止めるべき時だ」

製造業界団体メイクUKのスティーヴン・フィプソン会長は、「議会は今こそこの茶番劇の幕を引いて、合意なしブレグジットの危険を取り除くべきだ。(合意なし離脱の結末は)イギリスの製造業にとって大惨事となるだろうし、あらゆる選挙区で何千人もの雇用が危険にさらされる」と話した。

関税はどうなる?

政府は13日に、合意なしとなった場合の詳細を発表するとしている。

先週には、イギリスが合意のないままEUを離脱した場合、政府は輸入品の8~9割で関税を減らす可能性があるとの報道も出ている。

またテリーザ・メイ首相は、アイルランドと英・北アイルランドの国境管理をめぐる計画をこの日に発表する方針だと語った。

英国小売協会(BRC)のヘレン・ディッキンソン会長は、合意なしブレグジットは関税や非関税障壁、ポンド安といった形で一般市民に影響を与えるだろうと指摘した。

「これによってコストが上がり、現在、我々が享受している品ぞろえが減ることになる」

その上で、「将来の通商の取り決めがあまりに不明確で、企業はへきえきとしている」と述べた。

「到着時の関税や検査、必要書類について不明なまま、何百隻もの船がイギリスに向かっている」

自動車製造販売者協会(SMMT)のマイク・ホーズ会長は、メイ首相の離脱協定が否決されたことで「我々は『崖っぷち』に危険なほど近付いた」と話した。

「合意なしブレグジットは自動車業界にとって大惨事となる」

「障害のない貿易が終わり、製造コストが何十億ポンドも上がり、雇用が犠牲になる。イギリスの自動車業界はすぐに危険にさらされるだろう。議会は合意なしブレグジットを否決し、選択肢からも永久に除外すべきだ」

ポンドは上下続く

12日の採決前、ポンドは変動は繰り返した。

政府に法的助言をするジェフリー・コックス法務長官が、メイ首相が11日にEUと合意した協定の変更によっても、イギリスはブレグジット後にEUとの関係に縛られる危険性は代わっていないとの法的見解を示すと、ポンドは急落した。

その後、採決が終わるとポンドは持ち直したものの、低く推移している。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントでEMEA(欧州・中東・アフリカ)の最高経営責任者(CEO)を務めるアンドリュー・ウィルソン氏は、「12日に下落した英ポンドは、不透明感が続けば今後も弱くなっていくだろう」と分析している。

「つまり、『合意なし』ブレグジットを除外すれば、ポンドの下支えになる」

(英語記事 Business ‘exasperated’ after Brexit vote

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47549775

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