この熱き人々

2019年4月25日

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吉永みち子 (よしながみちこ)

1950年、埼玉県生まれ。85年、『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞。著書に『母と娘の40年戦争』(集英社文庫)、『怖いもの知らずの女たち』(山と溪谷社)、『試練は女のダイヤモンド』(ウェッジ)などがある。

 翌年には、全日本ディアボロ選手権大会の水平軸部門に出場して5位。その結果に納得できずに、台湾のディアボロアジアカップに出場して準優勝。さらに16年には、全日本ディアボロ選手権大会の水平軸部門で優勝を果たしている。

 努力が実を結び、高評価を生み、それがダイレクトに収入にも繋がる。

 

 「最初の頃はとにかく自分の演技をするのが精一杯で、お客さんのことが見えなかったんですが、最近ではお客さんの反応が見えるようになってきました。全体の場の雰囲気を感じて、視線を配ることもできるようになってきました」

 今、客がどういう気持ちでいるかを雰囲気から察し、あまりに寒い日や暑い日は、少し短めに構成を組み替える。ただ短くしただけではもの足りなさが残るから、ちょっと派手に見える技を組み込む。失敗しても、すかさず巧みな話術で笑いを誘いながら、その場の空気を自らリカバー。ただ、失敗はしないに越したことはないわけで、失敗したときには徹底的にその原因を突き止める。それが一番大事なことだと言う。

 「自分ができなかった理由を探すために、技を分解して、分析します。この技はこういう動作とこういう動作でできあがっていて、そのどこに問題があってうまくできなかったのかを突き止め、それぞれを完璧にして再び繋げて完成度を上げていきます」

 技術的な問題は練習で解決するが、メンタルな部分が影響して、できるはずの技がうまくいかないこともある。

 「自分はメンタルが豆腐のように壊れやすくて、前後にうまい人がいると気後れして失敗したり、お客さんが盛り上がってくれないと凹んで失敗したりすることがあったんです。影響を受けやすいのはなぜかって考えたら、自信がなさすぎたんだと気づいて」

 自信をつけるためには、ひたすら練習して完成度を上げるしかない。そのために必要なことは何でもする。腰を痛めたことがあって、体調が万全でないと完全な芸からは遠のく。体幹を鍛える重要性に目覚め、腹筋、背筋のトレーニングが加わった。昨年からはバレエ教室に通って、身体表現の強化に励んでいる。

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