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2019年4月2日

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2020年アメリカ大統領選への出馬が予想されているジョー・バイデン前米副大統領(76、民主党)は1日、女性に不適切に接触した疑惑について否定した。

元ネヴァダ州議会議員のルーシー・フローレス氏は、選挙活動中にバイデン氏が後頭部にキスしたと主張している。

またエイミー・ラッポス氏は10年前、バイデン氏に両手で顔に触れられ、鼻をこすりつけられたと話している。

バイデン氏は2008~2016年の8年間、バラク・オバマ政権の副大統領だった。

2020年大統領選については出馬を表明していないが、野党・民主党の候補指名を目指す予備選では最有力候補になるとみられている。

2つの疑惑

疑惑は、3月29日にフローレス氏が米誌「The Cut」に寄稿した記事で明らかになった。

それによると、フローレス氏が2014年に民主党からネヴァダ州副知事選に立候補した際、当時副大統領だったバイデン氏が応援に駆けつけた。

バイデン氏はフローレス氏が演説に向けて準備している時、背後から両手をフローレス氏の肩に置いたという。

「バイデン氏が私に近付くのを感じた。彼はさらに近付いて、髪の香りをかいだ。私はいたたまれなくて固まってしまった」とフローレス氏は書いている。

「そして私の後頭部にゆっくりとキスした。何が起きているのか理解できなかった」

「これほど露骨に不適切な真似を経験したことがない」

フローレス氏が名乗り出たのに続き、4月1日には別の疑惑が持ち上がった。

ラッポス氏はジム・ハインズ下院議員(民主党、コネチカット州選出)の側近だった2009年10月、同州ハートフォードの個人宅で行われた寄付金集めの集まりで、バイデン氏に不適切に触られたと述べた。

地元紙「ハートフォード・クーラント」の取材でラッポス氏は、バイデン氏がハイネス議員の側近たちに感謝するため台所に入ってきた際、ラッポス氏の顔を両手で包み、鼻をこすり合わせたという。

ラッポス氏は、「望まない好意の表現は、良くない。女性をモノ扱いするのも良くない」と話した。

「女性のパーソナルスペースを侵害したり、不適切に触ったり、セクハラをしてレイプ文化を増長させるような男性は、権力の場にいてはいけない」

「こうした振る舞いを『単なる好意』、『おじいちゃんみたい』、『フレンドリー』と言ってしまうこと自体、この問題を非常に軽視していることの表れで、問題の一部だ」

その上で、バイデン氏は大統領選に出馬せず、すでに立候補している複数の女性たちに道を譲るべきだとしている。

バイデン氏の返答は?

バイデン氏の広報担当、ビル・ルッソ氏は当初、バイデン氏も周りのスタッフも誰ひとり「フローレス氏が不快に感じたことがあったか、彼女が説明したことが実際にあったか」覚えていないと話していた。

しかしバイデン氏は3月31日に声明を発表。フローレス氏の語った出来事を覚えていないとした上で、話に「耳を傾ける」と話した。

「何年にもわたって選挙キャンペーンや公職を続ける中で、数え切れないほどの握手、ハグ、そして好意や支持、安心を示してきた。その中で一度も、絶対に、不適切な真似をしたことはない」

「しかし、女性が自分達の経験を話せる、話すべきだと感じる大事な時代が訪れた今、男性はそれに耳を傾けるべきだ。私もそうする」

フローレス氏はこの日に出演したCNNの番組で、バイデン氏の声明はルッソ氏の説明より「はるかに良い」ものだと述べた。しかし、バイデン氏の行いは「完全に不適切」なもので、「大統領選への立候補を考えている」人物について考慮するべき点があると指摘した。

一方、バイデン氏は4月1日になって、一部の批判に強く抗議している。

ルッソ氏は声明で、「インターネットの暗闇」にいる「右翼のストーカー」が、バイデン氏と女性が一緒に写っている無害な画像を、不適切な接触の証拠だとして広めていると非難した。

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民主党内の反応は?

大統領選への出馬を表明した立候補者の多くが、フローレス氏の主張を支持している。

バーニー・サンダース上院議員(77、無所属、ヴァーモント州選出)はCBSの番組に出演し、フローレス氏の訴えを信じない理由はないと発言。

「この話はつまり、この国の文化を根本から変える必要があるということだと思う」と話した。フローレス氏は、2016年の大統領選予備選でサンダース氏を支持していた。

同じく出馬を表明しているエリザベス・ウォーレン上院議員(69、マサチューセッツ州)は、バイデン氏は「答えを出すべきだ」と述べた。

エイミー・クロブシャー上院議員(58、ミネソタ州選出)は、「政界では問題が浮上したらそれを解決しなくてはならない」と話している。

一方、バイデン氏を擁護する声も多く挙がっている。

副大統領時代に側近を務めていたシンシア・ホーガン氏は米紙ニューヨーク・タイムズの取材で、バイデン氏は「私たちを尊重してくれたし、他の人にもそうするよう指示していた」と語った。

また、アシュトン・カーター前国務長官の妻ステファニー・カーター氏も、自分のブログで「親しい友人」を擁護した。

バイデン氏は、カーター氏の国務長官就任宣誓の際にステファニー氏の肩を抱いていた写真が公表され、物議を醸した経緯がある。

しかしステファニー氏はブログで、バイデン氏は宣誓式で「私が柄にもなく緊張しているのを察して、さっとハグしてくれた」と書いた。

「けれどもその時の映像から切り取られた1枚の画像が(中略)、その日の記録として残ってしまった」のだという。

(英語記事 Joe Biden denies misconduct allegations

提供元:https://www.bbc.com/japanese/47783267

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