Wedge REPORT

2019年4月8日

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 もちろん、今の現場のトップには、百戦錬磨の原監督が座っている。巨人では過去2期に渡って指揮官を務め、7度のリーグ優勝と3度の日本一に輝き、第2回WBCでは侍ジャパンの監督としてチームを連覇へと導いた名将だ。当然ながら数々の修羅場を経験し、クリアする術も身につけているはずだろう。しかしながら、いくら経験豊富とはいえ、逆境に立たされた際のチームの修正役を原監督1人に任せるのはいくらなんでも無理があり過ぎる。だからこそ、そこで新任のコーチ陣たちが〝真の手腕〟を発揮できなければ、チームは負の連鎖によって一気にガタつき始める可能性も否定できない。

 それでは、どうして今回の「第3次原内閣」はこうしたフレッシュなメンバーになったのか。公には「今回の一軍スタッフ選考は将来に向けて指導者を育成していくという目的も込められている」との報道がなされている反面、裏側では別の見解も広がっている。巨人の有力OBの1人は、こう打ち明けた。

 「要は人が集まりにくかったということです。4年連続V逸で前政権の高橋由伸監督時代、チームはガタガタになってしまった。天下の巨人とはいえども〝沈みかけた船に乗りたくない〟と敬遠するコーチ経験者は球界に案外多く、原監督もメンバー集めに相当苦労したと聞きます。腐心した結果として、まったく経験がないメンバーで固めるほかに選択肢がなかったというのが本音でしょう」 

キーパーソンの2人

 しかし、そうは言っても、このコーチ陣たちの力なしではチームのV奪回など果たせない。原監督としても一蓮托生するしかないのだ。前出のOBはキーパーソンとして宮本コーチと元木コーチの2人の名前を挙げ、その理由について次のように説明した。

 「2人ともタレント出身。チャラチャラした感が強いかもしれないが、実はかなりの熱血漢の持ち主だ。タレント業をこなしていたことでコミュニケーション能力にも拍車がかかり、彼らは他人の〝乗せ方〟を十分に知っている。生き馬の目を抜くような芸能界で活躍し続けていた経験は決してダテじゃなく、それは野球界にも通用するところがあると思う。特に元木コーチは原監督から声出しなどでの頑張りが認められ、春季キャンプでコーチとしては異例のMVPに選ばれた。

 宮本コーチも天性の明るさと独特の野球観で去年までは何かと暗い雰囲気だった投手陣のムードをガラリと変えている。この先にチームがガクッと来てしまった時も、この2人がブレることなく芸能界でも培った自己流の人身掌握術を発揮すれば、懸念材料も消えるはず。そうなってチームがV奪回を果たせば、今年の原巨人は〝タレント出身コーチ〟というニュータイプの成功例を作り出すモデルケースとして後世に語り継がれることになるかもしれない」

 巨人復活のカギは原監督や選手だけでなく、新任のコーチ陣たちにも握られていることを忘れてはいけない。

  
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