この熱き人々

2019年5月23日

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吉永みち子 (よしながみちこ)

1950年、埼玉県生まれ。85年、『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞。著書に『母と娘の40年戦争』(集英社文庫)、『怖いもの知らずの女たち』(山と溪谷社)、『試練は女のダイヤモンド』(ウェッジ)などがある。

 その「句会ライブ」は、今や1000人を超す規模で人々が押し寄せ、キャンセル待ちも出るほどだという。爆発的に参加者が増えているのは、やはり「プレバト!!」効果。ちょっと夏井を生で見たい、ついでに俳句もやってみるかというたくさんの人々を、夏井は「チーム裾野」と名付けている。

 「定義はね、毎週番組を見て芸能人の不幸を大いに笑い、自分はできるとは思っていなかったけれど最近ちょっとできたら楽しいかなと思い始めている人。笑えるから句会ライブ行こうぜ、でいい。俳句の作り方をお話しして、会場のみんなに一句作ってもらって、その場で選んで1等賞を決めるというスタイルです。上手だろうと凡人だろうと、5分で俳句が一句できる体になってお帰りいただく」

 

 年齢は3歳から上限なし。原稿用紙1枚を埋めるのは大変でも、俳句は1行20字で3文字おつりがくる。日本語がしゃべれれば誰でもできるという。

 「俳句はメカニックな文学なんですよ。公式を覚えて自由に使いこなせるように反復練習する。筋トレと同じで、同じ型で100句作る。こう言うと文系はたじろぐけれど、理系や体育会系の方がすんなり入ってこられる。私も学生時代はバレーボール部のキャプテンでしたから。人によって時間の差はあっても、筋力だけで俳句の山の6合目くらいまでは誰でも辿り着けます」

教師から俳句界への転身

 それにしても、実際に1000人規模の句会を引っ張っていく夏井のパワーや話術やキャラクターは、一体どのように培われてきたのだろうかと不思議になる。

 大学卒業後、地元の中学校で8年間国語教師を務めている。が、教師になるという志があったわけではなく、教職一応取っとくか程度の意識で、教育実習に行って「教員集団スッゲ~」と思い、教員採用試験のために懸命に勉強して教師になったのだという。教えるという原点はここから始まっている。

 「国語は人気がない教科で、好き嫌いランキングでも最下位を争っている。それが面白くないから、指導案という脚本書いて演出を考え、お客さんの生徒が全員目を輝かせてくれるかどうかの50分1本勝負の自分で演じる舞台だと思って授業をやってました。日々、生徒たちに鍛えられましたね」

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