2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2019年4月16日

審判の威厳は崩壊

 「違反行為があった」と叫んでいる張本人が実は裏側でルールを次々と無視して好き放題やっていたのだから、本末転倒としか言いようがない。

 古参の高野連関係者も「申し訳ないが、林さんは高校野球の指導者の職務に就く資格はない」と断じ、こう憤りながら続けた。

 「林監督の行為にはフェアプレー精神の欠片もありません。要は自分こそがすべて正しいとする我がままの権化。もしあれが認められるのならば、審判団の威厳は崩壊してしまうでしょう。審判の判定に不満があったら、試合後にいろいろなところで批判をぶちまければいい。

 誰もが林監督のような愚行を犯すようになったら、もうプロレスの場外乱闘で凶器攻撃を行うのと同じですよ。規則もへったくれもあったもんじゃない。この件は確かにサイン盗み疑惑に端を発してはいますが、それとリンクさせる問題ではない。よく流れや状況を飲み込めていない人たちは一緒にして混同しがちですが、切り離して考えるべきです。

 審判の判断に不満を抱いて感情を抑制できないまま我こそが正しいと思い込み、試合以外のところで世の同情を買おうとした。非常に狡猾であり、高校野球の長い歴史上でも例を見ません」

 これとは別に高野連の内部からは「林監督は週刊誌上で、習志野のセンバツ一回戦のバックネット裏でカメラを回しながら二塁走者が相手バッテリーのサインを目視し、それを伝達する怪しげな行動を20回以上もあったと言い切っている。百歩譲るとするならばなぜ、それを週刊誌上で明かすのではなく、まず我々に提出して問題提起しようということをしなかったのか。そこまで自信があるならなおさらで、まず順序が違う。まったく意味が分からない」との疑問も投げかけられていた。

 星稜は今秋ドラフト候補の奥川恭伸投手がエースとして君臨する全国でも有数の強豪校。ただ、仮に職務復帰を果たした林監督率いるチームが今年夏の甲子園出場を決めれば、本大会は必然的にヘンなところへとスポットライトが集まってしまう。ひいては夏の甲子園全体のイメージ低下まで招きかねない事態に発展してしまう可能性があることから、その点も含め高野連側は林監督の去就にかなり神経を尖らせているようだ。


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