中年留学日記

2011年12月5日

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 日本では12月に入って就職活動が本格的にスタートしたところだろう。米国でも日本より1カ月早いが、こちらに留学している日本人学生向けにボストンで就職説明会が開かれた。「ボストンキャリアフォーラム」と称されたこの説明会には日本企業を中心に多くの有名企業が参加していた。 

全米から集まった多くの日本人留学生などでにぎわったボストンキャリアフォーラム

 ざっと見回しただけでも三井住友銀行、野村証券など金融機関のほか、東京ガス、楽天、NTTドコモなどの事業会社も出展していた。外務省や日本銀行などの公的機関もあった。企業は自社の事業内容の説明のほか、その場で面接も行い、有望な学生と積極的にコンタクトしていた。

 私自身に就職活動は全く関係ないのだが、知人に誘われて様子を見に行った。会場は学生の熱気であふれて、特に日本や欧米の大手金融機関のブースの前には学生の長い列ができていた。今年は約170社が出展し、3日間でのべ約6000人の学生が来場したという。関係者によると去年を上回る盛況ぶりだったそうだ。全米のほかカナダや南米、欧州などからも多くの学生が集まったという。

海外ではフライングOK?
抜け穴の倫理憲章

 日本では就職活動の早期化に歯止めをかけるため、財界の申し合わせで12月から説明会などを実施することになっているが、実際には海外では事実上の採用活動がいち早くおこなわれており、企業側も抜け目なく11月中に実施することで、学生を囲い込みたいという狙いがあるのだろう。

 具体的に面接を行って、これはと思う学生については最終的に東京の本社などで面接をするというパターンが多いようだが、実際に優秀な学生には既にボストンの段階で事実上の内定を出している会社もあるという。職を求める学生も必死だが、優秀な学生を逃さないよう企業側も必死になっている様子がよくわかる。海外で行われるイベントまで企業を拘束することはできないということなのだろう。

 しかし、ボストンにいながら日本風の企業説明や採用活動が展開されている様子を目の当たりにして、多少の違和感を覚えたのが正直なところだ。良し悪しは別にして、世界のどこまでいっても日本の企業はなかなか日本流のやり方を手放せない。
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