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2019年5月2日

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英政府は1日、機密であるはずの国家安全保障会議(NSC)の協議内容が漏れた問題で、情報漏洩に関与したとしてギャヴィン・ウィリアムソン国防相を更迭した。先月23日に開かれたNSCでは、中国の情報通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製品の使用に関する話し合いがされていたという。

英首相官邸は更迭理由について、テリーザ・メイ首相が「ウィリアムソン氏の国防相の職を果たす能力に対する信用を失った」としている。後任にはペニー・モーダント国際開発相が指名された。初めての女性の国防相となる。

従来以上の高速通信が可能となる5Gモバイルネットワークの英国内での構築をめぐっては、一部の英メディアが、英政府がファーウェイ製品の使用を限定的に認める計画だと報じていた。

1日夜の会議で、メイ首相はウィリアムソン氏に対し、同氏が不正な情報開示に関わっていたことを示す「有力な証拠」となる情報を得たと伝えた。

2017年11月に国防相に就任したウィリアムソン氏は、情報漏洩への関与を「強硬に」否定しており、「辞任という選択肢をご提案いただき感謝するが、辞任するということは、私や部下の公務員たち、私の軍事顧問、スタッフが関与していたと認めることになる。そのようなことはなかった」と述べた。

欧米諸国では、ファーウェイの技術がスパイ目的で中国政府に利用される可能性があることから、ファーウェイの安全性への懸念が高まっている。米政府は、各企業と各国に対し、ファーウェイ製品を購入しないよう呼びかけている。

アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアは、国家安全保障を理由に5G通信網からファーウェイ製品を排除している。

ファーウェイ側は、諜報や妨害行為の危険性について否定しているほか、中国政府からの統制は受けていないと主張している。

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英紙デイリー・テレグラフは先月23日、国家安全保障会議でファーウェイ製品の限定的な使用が認められたことや、ファーウェイとの取引をめぐり、閣僚の間で国家安全保障への危険性に対する警戒が示されたことを報じた。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長によると、ウィリアムソン氏に近い情報筋が、ウィリアムソン氏がデイリー・テレグラフのスティーヴン・スウィンフォード政治副編集長に面会していたと明かした。しかしクンスバーグ氏は、この証言だけでは情報漏洩を「完全に立証はできない」と指摘した。

英スカイ・ニュースのアリステア・バンカル安全保障担当記者によると、ウィリアムソン氏は情報漏洩に関与していないと、自身の子どもたちの命にかけて誓ったという。

国家安全保障会議(NSC)とは

NSCは内閣閣僚大臣で構成され、首相が議長を務める。必要に応じてその他の大臣や役人、諜報機関幹部などが召集される。

英政府通信本部GCHQ、国内治安担当のMI5、対外担当のMI6と大臣との間で秘密情報を共有できる場で、全員が公職守秘法に署名している。

5Gネットワーク構築におけるファーウェイの役割について正式な発表はないが、英首相官邸は今春中に最終的な決定がなされるとしている。

メイ首相は、先月23日に開かれたNSCの協議内容漏洩は「非常に深刻な問題で、深く失望している」と述べた。

ジェレミー・ハント外相は、メイ首相にはウィリアムソン氏を解任する以外に選択肢はなかったが、個人的には「今回の決定についてはとても残念に思っている」と述べた。

最大野党・労働党のトム・ワトソン副党首は、ウィリアムソン氏が公職守秘法に違反したかどうかを調査するよう警察に求めた。

元外務次官のピーター・リケッツ卿は、BBC番組「ニュースナイト」に対し、情報漏洩は公職守秘法違反にあたり、警察が捜査を検討すべきだと述べた。

一方、スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)は声明で、これはNSCと内閣府の問題であり、捜査するつもりはないと表明した。

国防委員会のジュリアン・ルイス委員長はBBCに対し、防衛の観点から「純粋に」見た場合、ウィリアムソン氏の更迭は「損失」だと述べた。

(英語記事 Gavin Williamson sacked over Huawei leak

提供元:https://www.bbc.com/japanese/48130009

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