BBC News

2019年5月8日

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トルコで3月31日に行われた最大都市イスタンブールの市長選をやり直すことが決まり、国内外から批判の声が殺到している。

この市長選では、最大野党・共和人民党(CHP)のエクレム・イマモール候補が、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)の候補に僅差で勝利した。

しかし、AKPは敗北を認めず、不正があったと主張。これを受けてトルコの選挙管理委員会は、6月23日に再度、選挙を行うと発表した。

イスタンブールでは6日、選挙やり直しに反対する何百人もの市民が抗議活動を行い、鍋ややかんを叩きながら反政府スローガンを叫んだ。

イマモール氏は選挙のやり直しは「裏切り」だと述べ、CHPも選管がエルドアン大統領の圧力に屈したと批判した。イマモール氏は現在、市長としての職務権限をはく奪されている。

イスタンブール市長選は統一地方選の一環として行われ、トルコ経済が低迷する中、エルドアン大統領に対する国民投票と目されていた。

AKP率いる与党連合は全国的には51%の得票率を確保したものの、CHPは首都のアンカラやイスタンブール、イズミルといった主要都市で勝利した。

AKPは現在、アンカラとイスタンブールで選挙のやり直しを求めている。

EU各国からも批判

トルコが加盟を望んでいる欧州連合(EU)の報道官はトルコの選管に対し、選挙やり直しの理由について「直ちに」説明するよう求めた。

また、欧州委員会のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼副委員長は声明で、「自由かつ公正で、透明性のある選挙プロセスを確保することがあらゆる民主主義において重要であり、EUとトルコの関係の中心にある考え方だ」と指摘した。

ドイツのハイコ・マース外務相は、選挙のやり直しは「理解できない」と述べた。フランス政府は、トルコ政府は「民主主義や多元主義、公平性、透明性を尊重すべきだ」と指摘した。

欧州議会のリベラル派をまとめるヒー・フェルホフスタット氏はツイッターで、市長選をやり直せば、トルコのEU加盟交渉は「不可能」になると話した。

エルドアン大統領の主張は?

エルドアン大統領はAKPの議会集会で、選挙のやり直しがトルコにとって「最善の方法だ」と述べた。

「民主主義と法の枠組みにのっとって問題を解決するという我々の意志を固めるのに、(やり直しの)決定は最善の方法だ」

また、3月の投票には「不法行為」があり、選挙をやり直すことが「民主主義強化の重要な一歩」になると話した。

一方、AKP内でもこの決定には賛否があるとみられ、AKP創設メンバーのアブドゥラ・グル前大統領が新党結成の準備を進めているとの報道もある。

(英語記事 International outcry over Istanbul re-run

提供元:https://www.bbc.com/japanese/48196727

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