今月の旅指南

2019年5月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 広島県北西部、中国山地に抱かれた北広島町は神楽や田楽など伝統芸能が盛んな土地柄で知られる。初夏の風物詩となっているのが、豊作を祈願する稲作儀礼として地域に根付いた「壬生(みぶ)の花田植(はなたうえ)」だ。

横一列に並んだ早乙女たちが苗を植えていく

 大勢で歌ったり太鼓を叩いたりしながら賑やかに田植えを行う民俗行事は、室町時代に起源を持つという。当時は儀礼のほかに農民の慰労や娯楽の役割も果たしていた。平成23年(2011)にユネスコの無形文化遺産に登録された。

 祭り当日、正午に壬生地区の花田植会場において、子ども田楽や、同地の戦国武将吉川氏の逸話にまつわる「本地の花笠踊り」などが披露される。花田植が始まるのは14時から。家紋や屋号、名字などを染めた幟(のぼり)を立てた花鞍(飾り鞍)を背にした、12~15頭の「飾り牛」が田に入って代掻(しろか)きをする。ささらを手にした総指揮者「三拝(さんばい)」の田植唄(親唄)に合わせて、絣の着物にたすき掛け、菅笠姿の早乙女たちが子唄(こうた)を歌いながら苗を植えていく。囃子方の大太鼓が、見事なバチさばきで打ち鳴らしつつ隣にバチを投げ渡す所作も見どころの一つだ。

 このほか、壬生商店街では各団体が会場へ向かう行進の様子が見られるほか、別会場の千代田開発センターでは神楽の上演(有料)もあり、伝統芸能が満喫できる。

壬生の花田植
 <開催日>2019年6月2日
 <開催場所>広島県北広島町・壬生地区
(山陽新幹線広島駅からバスで千代田インター下車後、北広島町役場から無料シャトルバス)
   <問>北広島町観光協会 ☎0826-72-6908
   URL:http://www.kitahiro.jp/mibu_hanadaue/

*情報は2019年4月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2019年6月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

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