“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年6月3日

»著者プロフィール

忘れられない2011年のW杯開会式

――ここからはワールドカップについてお聞きします。

 さっそくですが過去に取材されたワールドカップの中で一番印象に残っているシーンを教えてください。

松本:2011年のワールドカップ・ニュージーランド大会の開会式です。運よくニュージーランド対トンガの開幕戦に入れることができたのですが、それが私のワールドカップ初取材でした。

 開会式はウェブ・エリス少年に扮した男の子が暗闇の中を走り、観客の持つ携帯電話がキラキラとスタジアムを輝かせてとても綺麗な光景でしたし、マオリの衣装を着た人たちの炎の演出をグラウンドサイドから間近で見ることができて感動のあまり泣いてしまいました。

 実を言うと大会の少し前まで、オリンピックとサッカーとラグビーのワールドカップが世界の3大スポーツ大会とは知らなかったのです。あの開会式を見てラグビーワールドカップの凄さがわかりました。

 

――開会式をグラウンドサイドから体感できるなんてカメラマン冥利に尽きますね。

松本:それがワールドカップで一番印象に残っているシーンです。もちろん直後の開幕戦も凄かったですよ。

 2011年大会はその開幕戦と日本vsフランスの2試合しか取材することができなかったのですが、日本が途中までフランスに食い下がってかなり追い詰めたのです。「日本が勝っちゃうんじゃないの」って会場に異様な雰囲気が漂い始めたときに、周りにいた海外のカメラマンから「日本凄いじゃん!」とみんな話し掛けてくれて嬉しかったです。試合内容もさることながら、そうしたことも嬉しくて興奮しながら撮影しました。

南ア戦の歴史的瞬間を撮りたかった

――カメラマンの撮影場所の確保というか、ポジション争いのようなものはあるのですか?

松本:2011年のワールドカップのときは試合の2~3時間前に受付をするのですが、その際、グラウンドと撮影場所を描いた図があって座れる場所には番号が記されているので、そこに自分の名前を書いていきました。

 だから、試合の前半は動いて撮ることができないんです。後半からは動くことができますので空いているところに移動して撮影します。

 ワールドカップの撮影エリアは完全にゴール裏なので、一部のカメラマンやオフィシャルカメラマン以外はみんなゴール裏からの撮影になります。

 2015年のワールドカップのときは、プレスの受付順に整理券が配られて、試合の数時間前にカメラマンだけがぞろぞろとグラウンドに連れて行かれて、現場で見て場所を決めるという形式だったと思います。

――日本代表が攻め込む側のゴール裏でいい場所を確保したいですよね。あらかじめ攻める方向も確認できるのですか?

松本:いままで海外でしか開催されていないので、日本代表が攻める側で写す海外のカメラマンはあまりいませんでした。だから日本人カメラマンの中でどこを取るか決めていたような感じなので争いにもならない状態でした。

 日本人カメラマン以外では現地の新聞社と対戦相手国のカメラマン、フォトエージェンシー数人がいる程度です。

 ですが、2015年のイングランド大会のときは日本人カメラマンの人数が多かったと現地では思われていたようです。

関連記事

新着記事

»もっと見る