2024年4月25日(木)

Wedge REPORT

2011年12月21日

 第一に、日本外交の基軸は先進国間協調である。30年代における国際的地域主義の台頭にもかかわらず、日本は対米協調を求めた。今日においてもアメリカを中心とする先進国間協調によって、世界秩序の安定勢力となるべきである。

 第二に、日本外交がめざすべきリージョナリズムは、アジア太平洋地域における開放的地域主義である。アメリカに対抗するのではなく、アメリカを含む経済的な地域統合以外の国際的地域主義構想は実現しないだろう。

 第三に、日本はグローバリズムとリージョナリズムの微妙な均衡を保持するために、多国間外交を展開しなくてはならない。先進国と新興国との不安定な複合体としての世界は、責任分担意識に基づく多元的な外交を日本に求めているからである。
 

WEDGE1月号 特集『膨張中国 目を覚ませ日本』
◎国家観喪失が招いた危機 ――中西輝政(京都大学教授)
◎米国抜きの秩序はない ――谷内正太郎(早稲田大学教授/元外務次官)
◎ミサイル防衛が問う論点 ――久江雅彦(共同通信社政治部次長/編集委員)
◎集団自衛権は「必須免許」 ――谷口智彦(慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授)
◎戦前の過ちを繰り返すな ――井上寿一(学習院大学法学部教授)

 

◆WEDGE2012年1月号より


 




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