田部康喜のTV読本

2019年6月5日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

損害賠償訴訟は食い止めたが……

 第3回「キラキラ女子の闇」は、ゲストに徳永えりを迎えて、スーパーの地味な社員・加代である彼女は「キラキラ女子」のブログを匿名で綴っている。リア充の写真や文章をあしらった人気のブロガーである。その実態は、タイツにほころびを同僚に指摘されるまで気づかなかったり、上司と不倫をして二度も中絶をしたりして、自分を主張できないでいる。

 加代がブログで中傷の標的にしたのは、「美人コンサルタント」をいわれる中西あや子(矢田亜希子)である。中西は知名度を武器にして、ユーチューバーのタイガ(瀬戸)の父親である政界の重鎮の伊藤秀光(伊武)に近づいて、衆院選への出馬を狙っている。

 あや子の化粧や服装を非難していた加代は、あや子側からブロガーの正体を暴かれて損害賠償をちらつかせて、あや子に関するブログの削除を求めてきた。弁護士会の無料相談会で加代と知り合った、ヤメ検・弁護士の岩井(高橋)が交渉役になる。

 いったんは、ブログの削除を岩井に約束した加代だったが、不倫相手の上司からあや子に関する決定的なスキャンダルの情報を得る。「ペンシルバニア大学卒」というあや子の学歴は、実は大学に入学するために、語学学校に入学しただけで、上司と恋人同士となり、勉強も中途半端で大学に進学できなかったというのである。

 加代がブログに書き込んだ、あや子の学歴詐称スキャンダルは週刊誌などに波紋を投じた。衆議院選への出馬も断られた。

 あや子側と交渉に立った、岩井は次のようにいって、加代に対する損害賠償訴訟を食い止めた。

 「こちらでも調べさせてもらったが、あや子さんはペンシルバニア大学の卒業名簿にも、在席名簿にもなかった。学歴詐称の書き込みが、損害賠償に相当するかどうかは、裁判所の判断で分かれるでしょうね」

 事態を収拾しても、岩井は「すっきりしない」とつぶやいて、加代の部屋に向かった。以前に訪れたときとは、様変わりで部屋がゴミ袋でいっぱいになっていた。片隅のソファーに、加代はうずくまるようにすわっていた。加代は、就業時間中にブログを更新していたことが、何者かから会社に情報が寄せられ、自主退社させられたのだった。岩井は「ちょっと外へ出かけませんか。ネットでたたいた相手に直接あってみてはどうですか」

 それは、あや子の謝罪会見だった。岩井の脇に加代がたたずんでいたので、誹謗中傷をしていた女性であることがわかり、加代をみつめながらこう語るのだった。

 「一部の人は、私のことをなんの苦労もなくやってきたというけれど違います。家庭を捨て、女性のプライドを捨てて、ここまでやってきた。そしていまそれをすべて失おうとしている。私を批判するなら、刺し違える覚悟できなさい。それでなければ、いまここで謝って」

 加代は小さくうなだれて、謝罪の意思を示すのだった。

 会見場をでた加代に、岩井が「どうでした」と聞くと、加代は答えた。

 「感じ悪い。ずぶとい。わたしも負けていられない。というか。負けられない」

 岩井は「その意気ですよ」と励ます。

 タイガ(瀬戸)のもとに危機が迫ってきた。身を寄せている岩井の事務所に「タイガくんお帰り」という雑誌の文字を切り抜いて作った手紙が届いたのである。岩井の娘・早紀(唐田)を誹謗中傷するネットの書き込みに、岩井も気づいた。

  
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